まえあしの恋する彼女達

たいぴーに恋する彼女 【空回りの彼】 ページ14

今私を膝枕にしてソファーで寝そべって眠ってる幼なじみであり彼氏の通称『ガヤ、ガヤさん、たい、たいぴー』は


世間ではキングとか完璧とか言われてるらしいけど･･･私の前ではいたって普通の彼氏だ。


いや、確かに小さい頃から普通に優しいよ？


でも私の前でキング感出てた事はただの１度もない。


いつのまにこんな王子キャラになっちゃったんだろ･･･？


寝息立てながらスヤスヤ寝てる太輔を眺めながら考える。


･･･やっぱりデビュー決まってからかな？


太輔のデビューの知らせを聞いた私達家族は抱き合って喜んで、当然太輔家族ともお祝いをした。


そのお祝いの席の終盤顔を出した太輔はもう今までの私の知ってる太輔とはどこか違うように見えたんだ。

今までだってカッコよかったけど･･･

それに自信もプラスされてオーラが出てきてて本気で太輔が遠くに行っちゃった気すらした。


ちょっと寂しくなったなって黄昏てる時に不意に付き合って欲しいって告白された時は心底びっくりした。


なんで今？って。


中学生の時は確かに太輔に淡い恋心を抱いてて。


そんな時にジャニーズに入っちゃった太輔の事、もう今更自分を彼女にしてもらおうなんて思いもしなかったし。


それなのにデビューが決まった今太輔の彼女になるの？って。


「Aいてくんなきゃオレ頑張れないから。頼む！」


って手を合わせてお願いされて･･･。


そりゃずっと小さい頃から一緒で１度は恋してた人。


断る理由なんてなかった。


２０歳から付き合い出した私の初カレは太輔だ。


初カレが芸能人って、パンチあるよね。。。


でも、幼なじみだったし太輔の事情はデビュー前からもなんとなく分かってたから思いの外不自由なく今７年目に突入した。


この７年で変わった事と言えば･･･


太輔が恋人っていうより、より家族化した事に反比例するように私の気持ちだけが暴走気味って事くらいかな･･･。


だって会う度にカッコイイんだもん！


好きが止まらないって！


寝顔に見とれてると太輔の目がパチって開いて瞬間目が合った。


目擦りながら


「･･･見すぎじゃね？」


って呟きながら膝枕の上で伸びしてる。


「た、たまたまだって。」


ふーん、とか言いながら起き上がる太輔はさほど気にも止めてないようで１人安堵する。


なんか私1人ドキドキしてるから恥ずかしくてこんな気持ちバレたくないんだよ。

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