キミの襟足にキスがしたい

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「な、･･･なんで、」





ミツだ。
この家から出て行って一ヶ月以上なんの音沙汰の無かったミツがここにいる。





「Aちゃーん、久しぶり！」


「下のコンビニで声かけられてさ？この前会ったAのハトコのミツくんでだってわかって。ちょうどAの家来る所だったんだって。」


「え！あ、あぁ、そ、そうなんだ？」





色々と突っ込みたいところが山ほどあるけど
とりあえず、今、目の前のミツは私をいきなり襲ってきた後、放浪していた私の舎弟ではなく、ハトコのミツだ。ハトコ、ハトコ、ハトコ･･･、





「太輔、ミツ、とりあえず、上がって？」





･･････この場合、太輔に出て行って貰うのが正しいのかわからなくて咄嗟に出た言葉。




ミツだけは絶対帰したくなかった。
せっかく戻ってきてくれたかもしれないのに。





リビングのソファに肩を並べて座る太輔とミツに違和感しかなくてどうしたらいいかわからないまま、とりあえず私もテーブルを挟んでラグに座ってみた。






「っていうか、Aちゃんと太輔さんはより戻したの？元カレってのは聞いてたけどさ。」





いやいやいや、久しぶりに帰って来て第一声それ？
しかも今一番ナイーブなとこサクって聞いて来るから思わずミツを睨んでしまうけど、ミツは涼しい顔で私をいたずらっぽく見てるだけ。





「･･･今、返事待ちなの。でもいい返事貰えるって思ってるよ。」





私を見ながらそう返す太輔に、思わず俯いてしまう。



だよね。今から私達がしようとしてた事･･･
それが全ての答えだ。



それなのにこの期に及んで私は自分の中で決断ができないなんて、ため息をつくしかない。






「そうなんだぁ、そもそもどうして一度別れたの？」





はい？？
可愛い顔して不思議顔すんじゃねーよ！



全部知ってるくせにしらばっくれてわざわざそんな事聞くわけ？！






「･･･俺が悪かったんだ。詳しくは言えないけど、今懺悔の真っ最中なの。」


「へぇ。なんかシちゃったんだねー、太輔さんたら！」






･･････バカミツ。



しかも太輔、懺悔とか言いながら普通に今私としようとしてたくせに。



ツッコミどころ満載すぎて頭の中がぐるぐると回ってると太輔が耳を疑うような事をミツに言い出した。

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