キミの襟足にキスがしたい

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「･･･二階堂だって独り身でしょ？同じじゃん。」


「ん？俺彼女いるけど。」




いるんだ！！
いつの間にっ、




太輔も二階堂もお相手がいてそれはそれはよろしい事で。






「でさ･･････その事なんだけど。」


「うん。」




周りを見渡した後
急に声を潜めて私の方へ顔を寄せてくる二階堂。




「彼女、寺嶋リナなの。」


「てらしまりな？･･･ってえ！寺嶋さん？？」


「しーっ、声でかいって。」





寺嶋さんは同期の総務部。
大人しそうで聡明な寺嶋さんと私が当然仲良しなわけはなく･･･。
でも、なんか意外。




「実は俺達結婚が決まってさ。」


「うえっ？！？！」





だから声でけーよ、と諭されてももう驚きが隠せなくて二階堂の声なんて耳に入らない。




「で、式挙げないからちょっとしたお祝いパーティー？的なやつにしたいなって思ってんだ。」


「う、うん、式、しないんだ？」


「色々あってね。まあ、お互いの友達も呼ぶけど、少数だし、社内からはうちらの同期も女の子少なくなってきてるし姫野にも参加して貰えると助かるんだけど。」


「･･････そう。」


「森はもちろん呼ばないから安心して？」


「そ、そんな事気にしてないけど？」




嘘。
太輔と森さんのプライベートまで見てしまうのは嫌だったけど、そんな事言えない。




「俺らさ、入社した頃は同期で色々遊んだじゃん？楽しかったよな。辞めた奴にも声かけようと思ってるし。まあ遊びに来るつもりでさ？」


「うん。わかった。参加させてもらうよ。」


「さんきゅ。独身男も呼ぶからどんどん声かけろよ。」


「･･･そーゆーのはいいから。」


「あ、でもそうするとガヤが妬いちゃうか。」


「んなわけないじゃん、何言ってんのよ。」






はぁーーーーー。






人のお祝いとか出来るメンタル･･･
ないけど、まあ、おめでたい事だし。



後々、辞めた同期では女の子は既婚者は子育て真っ只中で参加は難しいらしく
結局仲良かった独身の谷川楓が行けると聞いて一緒に行く事になった。



楓と会えるのを楽しみに
数週間後、二階堂と寺嶋さんのお祝いパーティーの日。









・









「Aちゃん、今日お出かけ？」







ソファに寝そべって欠伸をしながら漫画を読んでる相変わらずいつもグータラなミツは私を見て起き上がった。

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