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「あのっ!救急車!呼びます!」
「えっ??ダメダメっ、ちょ、待って、」
また、うぅぅー、と唸りながらゆっくりと起き上がった男の人は殴られた跡のような傷が数箇所あってなんとも痛々しい。
「・・・怪我は、顔だけですか?」
「うん、まあ、あちこち痛いけど、病院、行くほどじゃ、ない、」
そう、か。
ふぅー、と息を吐いて力が抜けた。
「でも・・・・・・、あの、お腹、減りました。」
「へ?!」
ダンボールからひょこっと顔を出した彼の視線の先は
私がそこに置いたお酒の入った袋・・・
まさか?
食べ物なんてつまみしか入ってないよ?!
急に立ち上がったその人はいきなりパンっと、手を合わせた。
「お姉さん、なんにもしないから今日一日泊めて?!お願いっ、」
「えっ?えっ?」
「寝るとこないの。だから寒くてここ入ってたら寝ちゃったのっ、」
いや、
・・・・・・えーっ???
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「はぁー、いいお湯だったー、」
「それはどうも。」
ほかほかな顔で出てきたその人は
泥だらけ血だらけだった顔を洗い流せば幼い顔をしたつるつるのほっぺたの可愛い男の子だった。
「お姉さんの服ぴっったり!ほら!」
「・・・身長あんまり変わらなさそうだもんね。」
「うんうん。ズボンの丈もぴったり!」
「・・・それはどうも。」
私はいったい何をしてるんだろう?
こんな得体の知れない男の子を家に入れてお風呂まで入らせて。
でも確かにこんな真冬にずっと外にいたせいか
体は冷え切って震えてたし、とりあえず怪我もしてたし
彼の図々しさにも負けて放っておけなかった。
人懐っこい雰囲気を持つ彼についつい気を許してしまったみたいだ。
「あ、お姉さん、一人で飲んでるの?俺付き合うのにっ、」
「・・・いいよ。別に。お腹減ってるんだよね?悪いけどこんなのしかないよ、ウチ。」
さっき買ってきたコンビニのスナック菓子を差し出す。
「・・・食っていいの?」
「いいけど。」
上目遣いで尋ねられると断れるはずない。
しかも今更だし。
むしろこんな物しかなくて申し訳ないって気持ちにさせるのは目の前のこの子があまりにも可愛い顔をしてるからなのか。
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みん(プロフ) - Haruさん» 移行ありがとうございます〜ミツはすでに居なくなったら寂しい人ポジには入ってきたから後は太輔をどこかへ...歌手のミツ見てみたいです(ソロ) (2021年4月8日 20時) (レス) id: 299204cd01 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - あやかさん» お忙しい中覗いてくれてありがとー!あやかちゃんは意外と藤北推しだしどっちに転んでもいいかしらぁ?(笑) (2021年4月7日 21時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 久しぶりにきたら、もう1話終わっててびっくり!太輔とミツどっちをとるかのせめぎ合い楽しいな(^^) (2021年4月6日 21時) (レス) id: d1d73bb006 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ninaさん» 私もね、ほんと、とりあえずビール飲みながら頭撫でくりまわしたいんですよとりあえず(笑)玉ちゃんのモデル設定にまで思いを馳せて頂いてありがとうございます!玉ちゃんに至ってはまだまだ未定です考えます(笑)またメッセ見てくださいねー♪ (2021年4月6日 20時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» 歌ってほしいよねー(笑)期待に応えられるかわかりません!(笑) (2021年4月6日 20時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2021年2月19日 14時