キミの襟足にキスがしたい

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「わかんない。何言ってんの。」


「まあまあまあ、飲みなさい飲みなさい、」





零れて空になったグラスになみなみと注がれる日本酒。





「まあまあ、俺も飲むから。」




手酌で自分のグラスにも、とぷとぷとそれを注ぎ
かんぱーい！！と陽気にグラスをカチンと合わせてきた。





わかんないけど、とりあえず飲もう。



ニコニコ笑顔の可愛いミツ。
美味しい日本酒。



体をこれでもかってほど私にくっつけてくるミツから離れることもなく、片方の体だけやけにぽかぽかして暖かくて･･･、






「ふふっ、Aちゃん俺の事、タイプなんだ？」


「そーねー、顔が好き！」


「じゃあ、元彼と似てる？」


「あ！あんた今地雷踏んだね？？ぶっぶぅー退場！！」


「あっ、ごめんごめん、今のナシ！これで許して！ぎゅー！！！！」


「ん！許そう！！」







職場で疲弊して
帰って泣きじゃくってミツに振り回されながら何も食べずに酒に溺れた結果、めちゃめちゃに酔っ払って
ミツの体温に安心して、そのまま眠ってしまった。









・









パチッと目を覚ますと目の前にミツの寝顔。




体が痛くて身動きが取れない、とうなされていたのは
リビングのフローリングでミツに抱きしめられて寝ていたからだと気づく。



ちゃっかり私のベットから毛布を持ってきたようで
二人でくっ付いてそれにくるまって寝ていた。





はっ、時間っ、



時計を確認すると、もう出なきゃ行けない時間だっ！





「ミツ！ミツっ、おきてっ、」




私を抱き枕にして寝ているミツの肩を叩く。





「んあー、頭いてー、」


「ちょっ、離してっ、私、行かなきゃ！」


「あぁ、もうそんな時間？」





私を離して、うーん、と仰向けに伸びをしてるミツをよそに素早く起き上がって洗面所に駆け込む。




やばいやばいやばい、遅刻とかないっ、



わーん、昨日お風呂入ってないしっ、最悪だっ、



急いで歯を磨いて顔を洗って服を着替えて･･････






「Aちゃん？」




わ！そうだ、ミツがいた！！




「あんたっ、適当に帰って？鍵これね？！エントランスのポストに入れといて！」


「ふふっ、はーい。いってらっしゃい。」






眠そうな目を擦りながら玄関前でひらひらと手を振るミツに構う間もなく急いで会社に向かった。

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