Sweet Cherry ーみっくんが恋する彼女ー4

バレンタインデー。 番外編 ページ3

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今日久しぶりに北山さんと一緒の仕事に入る。



ずっと気になる存在だった、北山さん。



アイドルに恋するなんてあり得ない、
そう言い聞かせながらもどんどん加速する恋心･･･、




彼女とか、いるに決まってるよね？



でも、せっかくバレンタインに会えるんだからせめて気持ちを伝えよう、そう決心した。



メンバー７人が集まってる場所で一人ずつチョコレートの箱を渡してく。



あえて、北山さんには渡さなかった。






仕事が終わって北山さんだけ早く帰り支度をしてる。



・・・特別な日に、会いたい人でもいるのかな？




でもっ、次いつ会えるかわからないしっ。








「北山さんっ、」



駐車場への出口に向かう北山さんに勇気を出して声を掛けた。





「おぅ、お疲れー。」


「あのっ、あのっ。これ、受け取ってくれませんか？」




チョコレートを差し出す手が震えて一気に顔が熱くなった。




「･･･あのっ、私っ、北山さんの事ずっと、」
「ありがと、貰っとくね。」




・・・え？




「これだけ義理チョコたくさん貰ったけどさー、こんなに高そうなの、いいの？」




片手に持った紙袋を少し持ち上げて･･･
私のも、そのたくさんの義理チョコの中の一つ、って言われてるんだよね･･･？



もう、遠回しに振られたようなもんだ。



でもっ、






「いやっ、あの･･･、」


「気使わせて悪いね。お返し弾むから期待しといて〜、」




じゃね、って私に話す間も与えず北山さんは行ってしまった。





なんだ、
告白もさせて貰えないの？






･･･ズルい。







涙も出やしないくらい
私の一世一代のバレンタインデーは終わった。




その後、



コンサートの打ち合わせの時に北山さんの忘れ物を届けにくる女性に目が止まった。





いつか、コンサートの楽屋に来てた人だ。



確か玉森さんや藤ヶ谷さんの彼女と来てたっけ。


全然北山さんと絡んで無かったから彼女だなんて気が付かなかった。


なんだ、あの人が彼女だったんだ･･･、





小柄で可愛らしくてふわふわな雰囲気を纏った優しそうな人･･･






北山さんとお似合いだ。





ああいう人がタイプなのか。




完敗。
次の恋、探そ。






「バレンタインデー。番外編」



FIN




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チョコレートを貰った北山さんを書きたくてこんなお話しに。
きっと私がスタイリストさんの立場ならこーやって振られるんだろうな(笑)
読み流して頂ければ･･

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