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「乾杯、」
静かな店内に響く、グラスを合わせる音。
さっき家に来てお兄ちゃんと言い合ってた元気で明るい大倉くん、どこ行っちゃったんだろう。
自転車の後ろに乗っててもずっと黙ったまんまだったし。
「・・・大倉くん?なにかあったの?」
嫌な事、あったのかな?
じゃあ、私と一緒だから今日は二人でヤケ酒?
って、私、飲めないじゃん。辛い・・・
「ちょっとAちゃんといてドキドキしてるだけや。」
「ま、またぁ、大倉くん、そーゆー事ばっか言ってさ。私にそんな事言ったってなんにも出ませんよー?」
冗談に冗談で返した、つもりだった。
それなのに笑う所か真剣に見つめられて
いよいよ大倉くんがおかしい。
「俺、Aちゃんが好きや。」
・・・え?
これは、冗談、では、ない。
さすがの私でも、わかる。
「俺と付き合って?」
「いやっ、え?でもっ、私っ・・・、」
彼氏・・・・・・・・・
いないんだっけ?
いるんだっけ?
それすらもうわかんないし。
「ごめん、北山から聞いた。二階堂?付き合ってんの?もしそうなら別れて俺の彼女になって欲しい。」
・・・あ
知ってるんだ。
お兄ちゃんが二階堂くんの悪口でも吹き込んだのかな?
私の事、可哀想、とか思ってるって事?
大倉くんはいつでもどこでも優しい。
けど・・・、
「・・・同情とか辛いよ?」
やめて欲しい。余計惨めになるっていうか。
もう、一昨日から色々ありすぎて
ここへ来て大倉くんにこんな事言われて感情がぐちゃぐちゃなんだけど。
「アホやな、同情やないわ。俺の気持ち、そんなん言わんとって。」
・・・じゃあ、本気ってこと?
驚きすぎて言葉が出ない私に大倉くんは続ける。
「好きな人おるって言ってたから何も言われへんかったけど。・・・でもそいつがふらふらしてるんやったら俺、黙ってられへん。」
・・・ふら、ふら、・・・、
どうして大倉くんにまで、二階堂くんのことがわかるんだろ。
「はよ忘れて?Aちゃんはいい子やねんから幸せにならなあかん。俺が、幸せにしてやりたいって思ってるから。」
そう言ったと思ったら大倉くんは私に顔を寄せてきた。
なんだろう、と思う間もなく頭を抱えられて
静かに大倉くんの唇が私のおでこに押し当てられてた。
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Haru(プロフ) - さっこさん» ありがたいですー(T_T)伝わってるかな?わかりにくいかな?って本当に心配になるもので(--;)え。遠慮なくコメント頂ければ嬉しいです♪さぁ、これから第3章、お楽しみに!むふふ。 (2020年3月14日 15時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - 私はこのお話大好きですよ!って、改めて言わなくても知ってますよね(笑)私ばっかりコメント連続してて、さすがに他の方が書くまで控えようと思ったんですが、意思が弱すぎました…。お兄ちゃんの自覚と、周りの気付きによって変わっていく事に期待してます! (2020年3月13日 22時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» いえいえー、毎回ありがとうございます!!さっこさんの願望。。。言いたいけど内緒にしときます!(笑)最後までお付き合いくださいー♪ (2020年3月6日 18時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - 何か毎回コメントしつこくてすいません…( ; ; )終わりまでストーリーが見えた?うわぁぁ、めちゃくちゃ気になります!早く書きたくて仕方ないなんて、読み手としては楽しみで嬉しい限りです!…あれ?何となく私の願望は叶わないような気がしてきたんですけど(笑) (2020年3月6日 12時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» それがですね、一気に終わりまでストーリーが見えて早く書きたくて仕方なくなりました(笑)大きな流れは考えて書き始めるんですがどうしても途中ふらふらしてしまって(--;)でももう決まりましたので迷いなく書き進めたいと思います!妹ちゃんの行く末を見届けて下さい! (2020年3月6日 12時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年10月20日 11時