オレの妹の恋愛事情。２

７１ 宏光side ページ25

なにやってんだ
なにやってんだ
なにやってんだ
なにやってんだ
なにやってんだ俺っ！！！！！！








＿＿＿＿＿大好き







その一言で我に返った。



それは、確実に兄に向けての言葉で、
逆に打ちのめされた。




とりあえずその場を誤魔化すようにテーブルの上をいつにない勢いで片付けていく。








・・・抱っこって･･･、





傷付く立場じゃないのに
その言葉にも更に追い打ちを掛けられて沈む心。





なんもしねーって言ったじゃん。
告白なんてする気さらさらないし
兄貴を貫くって、昨日大倉に誓ったばっかじゃん！！








・・・意思が弱すぎる。




健気なAを見てたら止めらんなかった。
俺が抱きしめた所で何一つ解決する事じゃないのに。







これから先、
俺はこうしてAをどんどん無意識に女として扱って
自分が暴走して止められなくなるのが怖くなった。







・・・本気でもう、一緒にいられねーのか。





昨日の大倉との話しを反芻してまた更に落ち込んだ。







でも、この気持ちに気付いたら
もっと傍にいたい、力になってやりたいって兄貴の時より思っちゃうんだよ。




タチわりーよ、



俺自身、このジレンマにどうしようもなくなってる。







･･･ルミ、ルミに会わなきゃ。




こんな時にルミに縋るなんて最低だとわかってるけど
ルミと会えば冷静になっていつもの俺に戻れる気がして･･･






＿＿＿＿＿ピンポーン






「あれ？誰だろ。」




こんな夜にチャイムを鳴らすのは
セールスかルミか、･･･あともう一人しかいない。




俺はモニタを確認して項垂れた。




俺の後ろから、大倉くんだってはしゃいだ声で玄関に向かうAの背中。





俺なんて、兄貴以上の事は出来ねーんだ。
ここは大倉の出番なわけ？


でも、･･･







このまますんなりと大倉にAを譲ってやる程心の準備なんて出来てないし。






「Aちゃん！久しぶりやーん。」


「そう？この前コーヒーご馳走様でしたっ。」


「また行こな〜。」


「うん！」








いや、俺いるから。
俺を無視してリビングのソファに勝手に座り出してAと談笑してる大倉をついつい睨む。

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