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「……で、お父様。そろそろ練習を再開したいんですけれど……」
雷門が総一朗の背に声を掛ける。総一朗は雷門に振り返り、人差し指を立てて上機嫌に言った。
「いいや、用事はもう1つあるんだ───。」
場所は代わり、サッカー部部室。40年前、かつて“イナズマイレブン”であった響木の頃から使っていた部室ということで、随分と年季が入っている。
部室内の設置物をずらしていけば、隠れていた壁には“イナズマイレブン”たちが書いたであろう文字が顔を出した。掠れてはいるが、読めない程に劣化はしてはいない。
「あはッ！コイツは爺ちゃんのだな！えーっと……コツはずばーん！どーん！……うーん、4段目はなんて書いてあるんだ？」
『3段目までしかないように見えるんだが……ふはッ、君にも解読できない文字があるんだ。』
円堂がしゃがんで祖父の字を見つめ、その後ろ姿から大神が覗き込む。その字に大神は顔を顰めるが、円堂の悩める様子に顔を緩ませた。
「何もかも、あの頃のままさ。」
響木は部室中に散らばる文字を眺めながら、柔らかな声色でそう言った。
「ここには“イナズマイレブン”の全てがあるんですな……選手たちの血と汗と涙を感じます。」
総一朗は部室内の籠からサッカーボールを手に持つと、リフティングを始める。
スーツという動きにくい服装でありながら、脚を上げて上手くリフティングをこなしていた───が、ふらついた途端にボールはコントロールから外れ、ボールは円堂の顔面へ直撃する。
「すまん……所で、これから部員が増えてくることを考えると、ここはもう狭いのではないかね。」
何も無かったかのようにボールを戻し、総一朗は本題を話し始めた。
懐かしく名残惜しくはあるが、古いものばかりにこだわらずに新たな部室を用意するのはどうか……という提案らしい。
1年生は新たな部室という事ではしゃぎ始めたが、円堂は少しばかり間を置いて「俺、このままでいい。」と呟く様に言った。
「この部室は、試合ができなかった頃の俺たちの事も、昔の“イナズマイレブン”の事も皆知ってる……それにこうして仲間も増えてきた、この部室は雷門イレブンの歴史そのものなんだ。
俺たちの大事な仲間なんだよ。」
雷門イレブンは、これからも大事な仲間であるこの部室と共に高みへと登る。
かつて、この場から誕生した“イナズマイレブン”の想いと共に。
……反論はない、であれば決まった。
───この部室を残す、満場一致だ。
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鷹羽(プロフ) - 雪華さん» 詳しく知っているアニメはあまり多くないのですが、上げるとするなら、このイナイレであったり、ジャンプコミックスのアニメ化した作品あたりを知っています。 (2021年3月6日 16時) (
レス) id: 338e0ddf16 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月6日 13時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年2月26日 12時
