88 ページ40
「夏未さん、何でそんなに詳しいの？」
先程詳しく大会のルールを説明していた雷門の様子に、木野は純粋な問い掛けをした。
雷門が問の答えを出す前に、大神の笑いが響く。
『あははッ！雷門生徒会長様は同じ過ちで慌てない様、皆の為に規約をじっくり読んてくれたんだろうさ……ふッ、ははッ。』
「大神書記！貴方、随分と私に馴れ馴れしくなったのではなくって？！……こほん。
ルールを知らずに慌てるのはもうコリゴリだもの、規約には隅から隅まで目を通したわ。」
雷門は大神を睨むが、効果は薄い様で揶揄う様に笑い続ける。無駄だと分かった雷門は、咳払いをして本人の口から大神が話した内容と同じ旨であることを明かした。
「へぇ……！」
「さすが夏未先輩、頼もしいです！」
雷門と同じく雷門サッカー部のマネージャーである木野と音無は、雷門のその熱意に感嘆する。
「事務関係は得意分野よ。これからは音無さんが情報担当、木野さんがフィジカル面担当ということでよろしくって？」
「「はい……」」
雷門の生真面目な言葉に、2人は苦笑をした。
話が終わった事で、円堂が思い出した様に声を上げる。
「あ、そうだ！大神、お前朝飯食べてないだろ！そろそろ何か食えよ、今日は監督の奢りだぞ？」
「は？……おい。」
円堂の発言に、風丸は目を見開いて大神を見やる。目が合えば、睨みつけるように鋭くなった。大神はばつが悪そうに目を逸らし、乾いた喉に烏龍茶を流し込む。
「お前、雷雷軒で打ち上げするって円堂と約束したのは何時だ？」
『……朝の、7時12分頃だった気がするよ。円堂が珍しく早い時間に電話を掛けてきたから記憶に残っているし、デジタル時計にそう示されていたから間違いはないと思うなァ。』
「それで？円堂ともう一度連絡をとった時間は、何時だ？」
『11時間3分だったね、携帯を開いた時の時間がそうだから。』
「俺たちが待ち合わせ場所で会ったのは、11時半頃だったなァ……こんにゃろ、寝不足なくせに飯抜くとか馬鹿かお前は！」
『いやァ、馬鹿でお恥ずかしい。』
風丸が大神に対して説教を行うが、当の本人は左から右に聞き流している様子。円堂は大神を睨む風丸を必死に宥めていた。
「……前から思っていたんだが、お前は大神に随分と執着しているんだな。」
豪炎寺の何気なく放たれた言葉に、風丸はきょとんとした表情で動きを止めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鷹羽(プロフ) - 雪華さん» 詳しく知っているアニメはあまり多くないのですが、上げるとするなら、このイナイレであったり、ジャンプコミックスのアニメ化した作品あたりを知っています。 (2021年3月6日 16時) (
レス) id: 338e0ddf16 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月6日 13時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年2月26日 12時
