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試合が終わり、観客席からも人が引けた頃。静まり返った帝国学園内のフィールドに、円堂と鬼道が向き合っている。
しばらく話して2人が握手をした後、円堂はフィールドを出て通路へと姿を消した。
「……大神さん、円堂との話は終わりましたよ。」
『びッ……くりした。あはは、気づかれるとは思わなかったよ。』
誰も居ない観客席の通路にしゃがんで様子を見ていた大神は、声を掛けられたことに驚いて立ち上がる。手すりを飛び越え、フィールドの脇に着地した。
『鬼道くんと少しお話したいんだ、いいかな。』
「構いません……俺も、お話したい事が有ります。」
『あれ、そうなのかい。』
大は鬼道の発言に目を丸くする。その表情を見て、鬼道は小さく笑った。
「フッ……記憶は戻った様ですね。」
『ああ、成程。話したい事とはそれの事か。』
「……俺の話と貴方が話したいという内容は同じだと思っていたのですが、違うのですか。」
『いいや？間違いではないよ、むしろ同じさ。その話をしたくて戻ってきたんだ。』
ジャージのチャックを弄りながらフィールドを見渡し、大神は落ちている様々な色の紙吹雪を眺める。
『……正確に言えば、まだ完全に思い出した訳ではないのが現状なんだ。
この学園内の構造を把握していて、君たちのサッカーを知っていた。確かに、帝国学園で君たちと共に居た……それだけは思い出した。』
「……思い出して、どうですか。」
『どうって？君にしては随分と曖昧な質問をするね。』
「…………」
大神の返しに、鬼道は押し黙る。不思議に思い鬼道を見れば、ぐっと何かを抑えている様だった。大神は戸惑った様子で笑いかける。
『……今の質問の真意に沿っているかは分からないけれど、思い出す事が出来て良かったと思っている。君たちと過ごした時間は楽しかったと記憶しているし、君たちとのサッカーは楽しい。』
「……そう、ですか。」
『今日の試合も楽しかったよ。』
今度はにこやかに笑う大神。
鬼道が知っているその顔で、鬼道が知らない表情で。
「(俺たちと共にいた時よりも、良い顔をしている……)」
鬼道は奥歯を強く噛んだ。
鬼道は心底、安堵していた。ゴーグルをしているおかげで、揺れている瞳が見られる事は無い。
「(俺たちには引き出せなかったその顔を、円堂は引き出したのか。)」
鬼道は悔しくも理解した。
大神の居場所は、円堂の隣なのだと。
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鷹羽(プロフ) - 雪華さん» 詳しく知っているアニメはあまり多くないのですが、上げるとするなら、このイナイレであったり、ジャンプコミックスのアニメ化した作品あたりを知っています。 (2021年3月6日 16時) (
レス) id: 338e0ddf16 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月6日 13時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年2月26日 12時
