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カーテンの奥で着替えた後に留守電を確認すると、マスターからしっかりと伝言が残されていた
映りはしないけれど、テレビ番組に映るアーティストさんの生演奏を担当するらしい
此処で働き始めてから、不定期で休みになる事は何度もあったけど、こうやってマスターが理由を言ってお休みになったのは、恐らく初めてで
壱馬が来なかったら、知らなかった事実。
哲「今日15時で閉めていいって言ってたから、それまで一緒に頑張ろうねぇ〜」
髪の毛を縛ってお店へと出ると、ふにゃんと哲也さんが笑いかけた
「…」
…哲也さんって有名人なのよね?
怪訝そうな顔で見つめてしまった私を見ても、顔色一つ変えずにコテンと首を傾げた
哲「なあに?」
「いや…お店に立って大丈夫なんですか?」
佐野珈琲は、知る人ぞ知る珈琲屋さん
ほぼ常連さんのみが訪れるけれど、稀にご新規のお客様が入店される事もある
若い女の子が好むような、甘めのフラペチーノなどは置いていないにせよ…
もし、噂が広まって、
彼を目当てに来る人が増えたら…?
哲「Aちゃんの考えてる事、俺分かっちゃう笑」
ふふ、と笑った哲也さんは、レジスターの横に置かれた小さなサイズのバインダーを手に取った
哲「今日は、完全予約制なんだ」
見てごらん、と見せられたバインダーには、何人かの名前が書かれていて
それらは全て哲也さんとも顔馴染みの常連さんの名前だったから、ホッと胸を撫で下ろした
「…良かったです」
哲「心配してくれたんでしょ〜」
そういう所だよね〜と、
目尻に皺をクシャリと寄せたと思うと
哲「さぁ、準備をしようか」
と楽しそうに手を叩いた
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隼「こんにちはー!」
玲「こんにちは〜」
午前中に予約していたお客様が帰られ、哲也さんと軽めのお昼ご飯を取っていた所で
来店したのは、小森さんと玲於くん
「んぐっ!いらっひゃいまへ!」
哲「知り合いだし、ゆっくり食べな?笑」
隼「僕もお腹空いたんで同じの下さい哲也さん!」
哲「はいよ〜、玲於は?」
玲「…Aのそれ美味い?」
「うん、美味しいよ」
玲「じゃあ同じので」
カウンター席に並んで座った二人を見て、慌てて最後の一口をパクッと詰め込んだ
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蘭(プロフ) - スーさん» 初コメントありがとうございます!この作品が大好きだと言って頂けたので、これからも頑張れそうです涙 そう言って頂けると自信がつきます!是非これからの展開も楽しみにして頂けたら嬉しいです(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - hkrさん» 何回も読み直して頂けているなんて…感激です…。長い文章を書いてしまっているため、読むのが大変だと思うので、尚更感激です…涙 これからも頑張りますので、是非楽しんで頂けたらと思います(^^)ありがとうございます! (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます!全て読んで頂けたなんて嬉しすぎます涙 楽しんで頂けているみたいで本当に嬉しいですし、これからも頑張りたいと思えます!是非これからも宜しくお願い致します(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
スー(プロフ) - 初コメントです!いつも、楽しくよませてもらってます!この作品大好きです!これからも頑張ってください! (2019年11月18日 7時) (レス) id: d70ff03ee4 (このIDを非表示/違反報告)
hkr(プロフ) - 更新ありがとうございます! 蘭さんの作品が好きで何回も読み直してしまいます(●´▽`●) これからも更新頑張ってください! いつも楽しみにまってます(´∀`)!! (2019年11月18日 4時) (レス) id: 6c0b67dbf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭 | 作成日時:2019年5月26日 22時