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よーし!!と気合いを入れて、身体を伸ばしたり、振りの確認をしたりと、各々準備をし始める
一般人の私なんかが見てもいいの?
大した感想、言えないかもしれないのに…
なぜだか緊張してしまって、領収書とお財布だけを入れた、斜めがけの小さな鞄の紐を握り締めた
壱「おい」
「わっ」
16人も居るから、どこを見たらいいか分からなくなって
紐を握り締めながら、キョロキョロと色々な場所を見ていた私は、近付く壱馬に気が付かなかった
急に掛けられた声に、思わず肩が跳ねる
壱「緊張してるん?笑」
「だって…場違いだよ」
壱「んー…そう思うかもしれへんけど…」
落としてしまった視線を壱馬へと向けると、ポケットに手を突っ込んだまま、皆を見ていた
その表情は、柔らかくて優しい
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壱「まだ何にも染まってないAにこそ、俺らのパフォーマンスを近くで見て欲しいねん」
「…どうして?」
壱「何も知らない目で純粋に、THE RAMPAGEがどう映るかが知りたい」
「なるほど…」
壱「緊張なんてせんでええから、俺だけ見といて」
ファンじゃない人の声を聞くこと自体、彼らにとってはなかなか無い事なんだと思ったから
賛同して純粋に楽しんで見よう、と思った時
サラリとそんな発言をした彼の目は本気で
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壱「目、離したらあかんよ」
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何でこうもドキドキさせる事を言うのが上手いんだろうか
少し顔を寄せてそんな事を言われたものだから、彼を見る他ならなくなってしまった
……あぁ、我ながら何て単純。
と、皆の元へ戻る彼の後ろ姿をぽーっと見ていると
それぞれ自由にアップをしていると思っていたのが、壱馬がセンターの位置につくと、一斉に空気が張りつめ、今から始まる、と感じさせた
ぐるりと周りを見渡すと、一人一人が集中して、その曲の雰囲気に入り込んでいて
これから魅せられるパフォーマンスの、期待値が上がる
すると、北人君とバチっと目が合ったけれど、その大きな目からはすぐに逸らされて
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「…っ!」
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その横の壱馬に視線を移動させた時、
彼の口は確かにこう動いていた
" こっち見ろ "
強引なくせに、狡い男だ
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蘭(プロフ) - スーさん» 初コメントありがとうございます!この作品が大好きだと言って頂けたので、これからも頑張れそうです涙 そう言って頂けると自信がつきます!是非これからの展開も楽しみにして頂けたら嬉しいです(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - hkrさん» 何回も読み直して頂けているなんて…感激です…。長い文章を書いてしまっているため、読むのが大変だと思うので、尚更感激です…涙 これからも頑張りますので、是非楽しんで頂けたらと思います(^^)ありがとうございます! (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます!全て読んで頂けたなんて嬉しすぎます涙 楽しんで頂けているみたいで本当に嬉しいですし、これからも頑張りたいと思えます!是非これからも宜しくお願い致します(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
スー(プロフ) - 初コメントです!いつも、楽しくよませてもらってます!この作品大好きです!これからも頑張ってください! (2019年11月18日 7時) (レス) id: d70ff03ee4 (このIDを非表示/違反報告)
hkr(プロフ) - 更新ありがとうございます! 蘭さんの作品が好きで何回も読み直してしまいます(●´▽`●) これからも更新頑張ってください! いつも楽しみにまってます(´∀`)!! (2019年11月18日 4時) (レス) id: 6c0b67dbf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭 | 作成日時:2019年5月26日 22時