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マ「今日もお疲れ様、A」
白シャツに、腰元までの黒いタブリエ姿のマスターは、openからclosedに看板をひっくり返した
「お疲れ様でした」
すると、ニコニコ笑顔から、
少年のような悪戯な笑顔へと表情を変えて
マ「そういえば、ずっと聞いてなかったけど
…………どうだったの?」
その一言には、色んな意味が
込められているのだろうなと思うと
話したいのに、天邪鬼な自分が顔を出す
うーん、とわざとらしく首を傾げて
「カッコ良かったわよ、哲也さん」
と言うと
マ「哲也はいいんだよ笑」
「観たことあるの?」
マ「勿論、何度もあるよ?」
「それは失礼致しました…」
マスターは話しながらも珈琲を淹れて、カウンターに座った私の前にカップを置いてくれた
「ん〜、美味しい」
マスターの淹れる、働いた後の一杯は格別だ
こんなに美味しい珈琲が飲めるなんて
……マスターに拾って貰えて良かった
マ「見つかったの?君が恋した声の主は」
角砂糖を一つ、カップへと落とすと
ぽちゃん、という音と共に小さく珈琲が跳ね上がる
「ええ…見つけたわ…」
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_________また会える?
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彼は確かにそう言った
でも…もう会うことなんてないかもしれない
彼と会って、話が出来た事自体、奇跡だったんだ
そう思うのは、あれから2週間も、
時が流れてしまっていたから。
マ「…Aの切ない顔は、もう見飽きたよ」
「…マスター」
マ「やっと未来に希望を持てるようになったなぁって、俺は凄く安心したんだけどな?」
未来を失い、絶望の渦中に居た私に
何も言わず、優しく珈琲を出してくれたっけ…
「もう、会えないかもしれない」
叶わぬ恋を追い求めても、
マスターはまた、珈琲を出してくれる?
「でも…会いたいの、かずま、って人に」
その名を口に出すと
マ「もしかして、川村壱馬のことかい?」
マスターは、少し驚いた表情でそう告げた
マ「壱馬なら…」
__チリンチリン
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お客様のご来店を知らせたドアベル
「いらっしゃいま…せ」
壱「どうも」
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蘭(プロフ) - スーさん» 初コメントありがとうございます!この作品が大好きだと言って頂けたので、これからも頑張れそうです涙 そう言って頂けると自信がつきます!是非これからの展開も楽しみにして頂けたら嬉しいです(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - hkrさん» 何回も読み直して頂けているなんて…感激です…。長い文章を書いてしまっているため、読むのが大変だと思うので、尚更感激です…涙 これからも頑張りますので、是非楽しんで頂けたらと思います(^^)ありがとうございます! (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます!全て読んで頂けたなんて嬉しすぎます涙 楽しんで頂けているみたいで本当に嬉しいですし、これからも頑張りたいと思えます!是非これからも宜しくお願い致します(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
スー(プロフ) - 初コメントです!いつも、楽しくよませてもらってます!この作品大好きです!これからも頑張ってください! (2019年11月18日 7時) (レス) id: d70ff03ee4 (このIDを非表示/違反報告)
hkr(プロフ) - 更新ありがとうございます! 蘭さんの作品が好きで何回も読み直してしまいます(●´▽`●) これからも更新頑張ってください! いつも楽しみにまってます(´∀`)!! (2019年11月18日 4時) (レス) id: 6c0b67dbf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭 | 作成日時:2019年5月26日 22時