224話 「メンズサイズでちょうどいい」 ページ31
とまあ、そんなことが起こりまして。
その血がついてしまった靴だが、今日俺が履いていたスニーカーだったりした。今は左馬刻さんのせいで違う靴だが。
血痕はぱっと見わからないくらいだが、気分的な問題が大きく、自分の靴が目に入っちゃうたびに申し訳ない。そしてその顔をしていると理鶯が心配して寄ってきて毎回抱きしめてくるのでさらに申し訳ない。そんな酷い顔してますか?
だからスポーツ用品店をじっと見てしまったわけだ。靴を今度買いなおさなきゃなあって。
オシャレさよりも実用性の方が重要だ。だってサバイバルしてる人と一緒に過ごす時間が長いし、手合わせもあるし。
「そういや、基本同じ靴だもんな」
『あはは……靴は二足しかパクってなくて』
中王区から脱走する際にパクったものしかない。服は左馬刻さんに幾らか貰っていた物を着ているが靴はいっつも同じだ。もう一足はサンダルだし。
ランニングシューズ売り場を見ながら自分のサイズを探す。自慢でもなんでもないが足のサイズが大きな俺だ。メンズの靴のサイズ展開によく頼ってしまう。レディスはね、逆にないからね。でも、そう言えば向こうの世界ではそんなに困ったことはないな……あっちじゃ俺ぐらいも普通って事か。
改めて、世界観が違うと実感する。間違っても二メートル越えの身長してる奴なんてゴロゴロはいない。そう考えれば寂雷先生デカいね。で、美人だし。
『これかな……』
「あ?メンズでいいのかよ」
『え、まあ……メンズの方がデザインは好きですよ』
「ふぅん」
お目当ての箱を手に取ってサイズを確認していれば左馬刻さんがのぞき込んでくる。丁寧に答えたが興味はなさそうだ。なんなんだ一体。
煙草吸ってくるからゆっくり選んでろと言ってスタスタと店を出て行った左馬刻さん。ゆっくりもなにも……これでよいのですが。
『まあいいか……ん?』
ランニングシューズ売り場の通路を挟んで向かい側は各スポーツの売り場になっていた。俺が立っているところの正面はバスケットボール関連の売り場のようで、なんとなくスタスタと寄って行く。整然と並べられたバスケットシューズに目がいった。
『これカッコいい』
バスケットシューズの何がいいって、ごつい事である。デザインが好み。すごく好み。黒と赤のバッシュを手に取って眺める。ジョーダンだな……高いけどカッコいいんだよね。こんなん外靴で履きたいわ……あー、でもいざとなったらキズつけたくないとかで無理かな。
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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています( ̄▽ ̄)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください!応援しています。 (2019年6月3日 18時) (レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます!毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください! (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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