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218話 「だってヤクザですしお寿司」 ページ25

タピオカほぼ二つは腹がタプタプだわ。いや、美味しかったけど。
で、飲み終わったくらいに左馬刻さんがまた聞いてきた。

「欲しいモン言えや」
『きょ、恐喝……いやマジでないですって』
「ねぇわけねえだろ。ねぇって言ってる奴がホントにねぇことなんてそれこそねぇんだわ」
『ひぃぃ……脅しが手慣れてる』
「そりゃヤクザだからな」
『あ、そっか。本職』

妙に納得したが違うそこじゃない。
欲しいものっつったって特に物欲はないしパッとは思いつかない。
それにこちとら左馬刻さんにとんでもない事(鳩尾に蹴り)をやらかしてるわけで………謝るきっかけを大捜査しているんだから違う事の捜査は不可能。頭を抱えていれば背後から突然声を掛けられた。

「すみません、ちょっとお時間よろしいですか?」
『へ?……あ、俺、ですか?』
「はい。ただいま無料キャンペーン中でして、スタッフがお客様のメイクをさせていただいてます」
『え……あ、え?……め、メイク?』
「はい。二十分ほどで終わりますので、よろしければ是非」

店員さんと左馬刻さんを交互に見る。
え、いや……でも、え?メイクとかしてもらっても……ねえ。
助けてくださいと無言で訴えていたがなにやら左馬刻さんはニヤついている。嫌な予感しかしない。

「んじゃ、そいつよろしく頼むわ」
『は!?』
「かしこまりました。ささ、こちらにどうぞ」
『え、ちょ!左馬刻さん!!』

背を向けて去っていく左馬刻さん。呼び止めたが止まってくれる筈もなく。
残されたのは微妙な顔をしている俺と、なぜか楽しそうな店員さんのみだった。








「彼女さんですか?」
『えっ、違います!!』
「あー、動いちゃダメです!」
『スンマセン!!!』

これはここにこうやって、そしてこれをと説明を受けながら顔に塗られて行く。
俺もある程度の化粧はするので「おお、そうやったらいいんですね」と勉強になって楽しい。やってもらうもんだね、何ごとも。化粧は正直、美術の授業だと思っている。化粧は現代芸術だよ。お絵描き、色塗り……嫌いじゃないから結構楽しい。ちゃんと教えてもらえればね。

「違うんですね〜……いや、私の妹が左馬刻さんの大ファンで」
『ああ、そうなんです……ファン?』
「はい。私は乱数ちゃん推しなんですが………左馬刻さんに彼女がいたら妹が三日は泣くだろうなって思ってですね」
『な、なるほど……』
「でも実物は本当に美形ですね」
『いや、ホントに作画がよすぎて隣に居づらいんですよ』

219話 「左馬刻様曰く、ステータス」→←217話 「口からぽろりと余計な一言」



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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています( ̄▽ ̄)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください!応援しています。 (2019年6月3日 18時) (レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます!毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください! (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作戦隊長 | 作者ホームページ:tp://  
作成日時:2019年5月26日 20時

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