216話 「たぴおかたぴおか」 ページ23
あのよく聞こえなかった呟きの後、無言で歩き始めた左馬刻さんの後ろを追っかけた。左馬刻さんからは謎のオーラが出ていて変に話しかけ辛いし、だからと言ってガン見してれば絶対気づかれる(なんせヤクザさんだからそういうのに聡そう)だろうから過ぎていく店を眺めていた。
で、ホントに偶々、たまったまだがタピオカのお店が目に留まった。別にめちゃめちゃタピオカ大好きとかではない。
実は先日、独歩さんから「ひふみに連れていかれた、おじさんなのに」と言ってタピオカの写真が送られて来ていたわけだが、それが最近流行のタピオカ屋さんらしく、二郎にも「ここ、今度行かね?」と写真が送られて来ていたわけだ。イケブクロ、シンジュクにも支店があるってのは知ってたし、シブヤが本店っていうことは乱数に聞いたから知ってるわけだけど……まあ、ヨコハマにもあったわけだ。
で、俺がじっと見ていたら目敏い左馬刻さんに勘付かれました。すごいっすね。どういう能力?
「おら、選べ」
『あ、いや……いいですよ。ちょっと気になっただけで』
「………」
穴が開きそうだったのでスススッと注文口に寄って行った。ヤクザの無言怖いでしょう。
笑顔でお姉さんに迎えられたわけだが、俺よりも背後の左馬刻さんに釘付けらしい。そりゃそうだ。俺も男装だったり男の真似事をすれば「イケメン」だの「そっちで生まれたほうがよかっただろ(笑)」、「違和感帰ってこい」、「わらわと結婚しよう!!」「………そっちの趣味はねえがハニーが望むなら」など散々言われまくっていた。あ、因みに最後の変態は海に叩き落したのでご心配なさらず。
だが、俺にだってわかる。つーか誰でもわかる。この後ろのハイパーウルトラミラクルスーパー美形には敵いっこねえ。いいなぁお姉さんの視線を独り占めって。はあ、羨ましい。
ま、左馬刻さんに限ったことではなく、理鶯も銃兎さんもAPP値カンストだからね。
三人のAPPと自分のAPPの差に驚愕したあなたはSAN値チェックですってか?はい、死にます。死ねばいいのでしょう。
「はよ選べや」
『え……いや、少し待ってください』
別に他所事考えていたから選んでないとかではなく、普通に悩んでいる。だってミルクティーも美味しそうだし、でもカフェモカも捨てがたい。二択だな……その二択からが進まねえんだよ。
『くそぅ、こうなったら神様に聞くしかねえか……ど、ち、ら、に、し、よ……』
「……おい、それとそれ」
「はい、畏まりました」
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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています( ̄▽ ̄)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください!応援しています。 (2019年6月3日 18時) (レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます!毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください! (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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