208話 「三人纏めてバッドで打ち返す所存」 ページ15
「で、何が望みですか?」
『七面倒なのは承知ですけど………この免許証の持ち主を、俺にしてください』
「………ヤクザにでも転職するんですか?」
『その予定はないですけど』
事の経緯を銃兎さんに説明した。
キヨばあの娘さんが俺と瓜二つな事、行方不明という扱いになっていること、そして恐らくこの世にはいないであろうこと等々。
一通り説明すれば銃兎さんは合点がいったようで、俺が説明中に取り出した免許証の写真をじいっと見つめる。で、続いて俺の顔を見る。
「本当にそっくりですね」
「………双子のようだな」
銃兎さんの横から覗き込んだ理鶯も免許証の写真と俺の顔を交互に見る。
いや……あの、美形二人してまじまじと見ないでいただける?俺の顔面に穴ほげちゃうし、死にたくなるから。主にAPPの問題で。
「ま、どうにかしてみましょう。身分証がないんじゃ貴方も困るでしょうし」
『丁度昨日困ったんですよね。左馬刻さんに煙草買って来いって言われたんですけど、年齢確認されちゃって』
「………そうですか。災難でしたね」
『なんですかその間。馬鹿にしてます?泣きますよ?』
変な間を開けられて勘ぐってみたがそうではないと首を振られた。
じゃあなんだってんだろうか。どう考えても「確かに二十歳以上には見えないな」的な間に感じたんですけど。
「昨日、左馬刻となにかありました?」
『え?………ああ、中華街に連れていかれたと思ったらセクシーで綺麗な女の人とどっか行っちゃって。その後はシブヤの乱数にパンケーキ奢ってもらいました』
「あいつ昼間もやらかしてんじゃねえか」
『も?』
「あ」
ボソッと言い捨てるように呟いた銃兎さんだったが、如何せん声がでかい。ばっちりしっかり俺に聞こえている。それも気になる感じの一言だったので、気になる一部分だけ拾い上げて復唱すれば、「しまった」といった顔を見せている。わあ、銃兎さんのその表情もしかしなくてもレアなんじゃねえの?写真とっとこ。パシャー。
「な、なぜ撮ってるんですか」
『ロック画面にしようかと』
「やめておきなさい悪趣味な」
『それ、三人に纏めて打ち返しますけど』
MTC三人とも俺の化け物写真がロック画面だって知ってるんだからな。何をおそろいにしてくれちゃってんだ。しかもなんで全員自慢げなんだ。「青いから俺たちにピッタリだろ?」じゃねえよ知るかよヤクザめ。
あ、そのヤクザのせいでこの収集のつかなさだった。危うく別件になりそうでした。
209話 「先手必勝ヒプノシスマイク」→←207話 「職業病なんです(などと供述しており)」
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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています( ̄▽ ̄)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください!応援しています。 (2019年6月3日 18時) (レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます!毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください! (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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