205話 「お礼の品等々」 ページ12
『で……お礼がコレ、なの?』
「いらないのかい?」
『いや……ん〜〜……いらないって言ったら嘘になる。片っぽは』
結局銃兎さんに連絡したらアホみたいに居場所を聞かれ、銃兎さんがすっ飛んできた。で、現状を見て呆気に取られている現役警察官だったわけだが滞りなく暴漢たちはしょっぴかれ、銃兎さんも一旦署に戻るとかで。
理鶯にも連絡が回り、銀と一緒に近くまで迎えに来てくれるらしい。あ、滝さんはさっき帰った。
で、今に話を戻すと……蒼龍と運転免許証等々を押し付けられかけてます。
『蒼龍はどっちかというと欲しいんだけど……いや、なんでこっちの世界で受け継がれてるかとかは存じ上げないんだけど……なんで免許証?』
「あった方が、何かと便利だろう?」
『………キヨばあさぁ、もしかしてぜーーんぶ知ってたりとかするわけ?』
「なーんにも。でも、あったらあったで困らないだろう?」
警察さんの知り合いがいるなら、どうにかなるだろうからねえと強かに笑う彼女には勝てる気がしない。経験値の差ってやつかな。人生修業が足りないってわけですか。
俺が唸り続けていると、ぎゅっと俺の手を握って複雑そうながら、何かを決めた顔でキヨばあが笑った。
「……貰ってくれれば踏ん切りがつくよ。あの子はきっと死んだ……死んじゃったけど、あの子の名前と生きてる事実は……仮ではあるけど、引き継いでくれないかい?」
『………わかった』
ゆっくり頷いて受け取った。
キヨばあの家を後にして理鶯との待ち合わせ場所に向かった。
到着したがまだ彼の姿は見えず、近くの電柱に寄り掛かって空を見上げた。
いい天気だ。
「A」
上を見たままぼけーっとしていれば心地の良い低温が鼓膜に響いた。
目線を向ければ何時ものミリタリー服を身にまとった理鶯と、その肩に乗る俺の相棒。
「銃兎から大まかには聞いた。無事か?」
『あぁ、うん。大丈夫』
「そうか、よかった」
「キュ!」
『おう、銀も心配かけたな』
手を差し出せば理鶯の肩から飛び乗ってきた相棒。
自分の肩に乗せようとしたが、銀が何かに気づいたように声を上げた。
彼の視線の先には蒼龍。そりゃそうだよね。
『ああ、これはちょっと色々あってさ』
「………」
『不思議だよな、なんで蒼龍がこんなところに』
「キュゥ!」
『え、どうした』
「キュゥイ!!」
『ちょ、銀!!?』
俺の服をたどって降りた銀は、俺がベルトに差している蒼龍の鍔の部分に乗っかって高く鳴いた。
207人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています( ̄▽ ̄)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください!応援しています。 (2019年6月3日 18時) (レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます!毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください! (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ