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194話 「この時間のチーズケーキ」 ページ1

ファミレスに到着。チーズケーキを頼んで「ふぅ」と一息ついた。
万が一左馬刻さんがすっぽかした時のことを考えて一郎は俺がファミレスを出るまでコンビニで待っていてくれるそうだ。優しすぎませんか?流石は俺。自画自賛が止まらない。

「お待たせいたしました」
『お。はーい、あざっす』

この時間にチーズケーキとか強者すぎるけど、何も頼まないのはアレだからね。ニキビが怖いけど。時計を見れば左馬刻さんとの通話を終えてそろそろ一時間半。食べてりゃ丁度いいでしょ。









LINEの通知音が鳴った。案の定左馬刻さんで「駐車場」とだけのメッセージが送られてきている。うわあ、凄い雑。いいけど別に。一郎とのトークに「左馬刻さん到着した模様です(´・ω・`)」と入れれば数秒してOKというフクロウのスタンプが送られてきた。可愛いな。
会計を済ませ、ファミレスを出れば車に寄り掛かって煙草をふかす左馬刻さんと目が合う。

『……ど、どうも』
「ん。助手席」

顎をしゃくって煙草の火を消した左馬刻さん。
大人しく助手席のドアを開ける。運転は左馬刻さんらしい。まあ、本人の車だからそりゃそうか。俺がシートベルトを締めている間に運転席に乗り込み手早くエンジンをかけた運転手は俺を一瞥すると正面に視線を戻した。
景色がゆっくりと動き出す。時刻は深夜、一郎とバイクで走っていた時よりも人はまばらだ。

「お前、乱数に会ったか?」
『え?』
「乱数に聞いた」

クソどうでもいい連絡寄こしやがってと呟く左馬刻さん。心なしか……というか機嫌が悪そうだ。恐ろしくて運転席側見れないけど気配で分かる。あな、こわやこわや。
この時間でもしっかり仕事している信号が赤になる。何かゴソゴソしているなと思えば「ん」と言われた。横を見れば煙草を咥えて先をこちらに向けている。
人差し指を炎に替えて差し出せば暫し煙草を火に晒した後、窓を開けながら白い煙を吐き出した。……少し纏っている空気が柔らかくなった、か?

「で」
『え?』
「乱数。なんか言ってやがっただろ」
『……いえ、特には。パンケーキ奢ってもらいました』
「………おー」

何も言ってなかったというのは逆に勘繰られるだろう。
今の言い方ならば「俺が気になるようなことは特になかった」と取ってもらえるはずだ。
一郎関係の話はなるべく触れないほうがいいと直感的に思った。具体的な事は上手い事銃兎さんにでも聞いておこう。何かしら知ってるだろうし。

195話 「夜のお友達」→



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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています( ̄▽ ̄)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください!応援しています。 (2019年6月3日 18時) (レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます!毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください! (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作戦隊長 | 作者ホームページ:tp://  
作成日時:2019年5月26日 20時

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