世界を守る一人の少女

３１ ページ31

あぁ、しんどいなぁ


頼んだって言っておきながら私が負けちゃうよ


この黒い物体に包まれてから更に声が大きくなった


負けたら駄目なのは分かってるのに…



力が入んないよ…




もし、此処にサボが…ソレイユがいたら…どうなってるかな



私の手を握って…大丈夫って言ってくれるかなぁ




…なぁんにも見えない




…聞こえるのは悲しい声だけ




頭が可笑しくなっちゃう




ハァ…疲れたや…




このまま、呑み込まれたらどうなるかな



． ．
また死んじゃうかな



もう何回目？




100?500?1000?



分かんないや…




あぁ…




誰か…




助けて




「A…」



誰？私の名前を呼ぶのは




「俺がついてる…だから負けるな‼絶対だ」



なつかしい…凄くなつかしい気持ち

あれ？今度はあったかい。


「大丈夫。」

あぁ…この声…私よく知ってる


A！って、よく呼ばれてた


大丈夫。って安心させてくれた


優しく私の手を握ってくれた


あぁ…この声は…サボだ


私の大好きなソレイユの声だ


やっと…やっと会えた



『サボ！』


やっと、会えるの


私の大好きなひと


サボはソレイユの生まれ変わりだ


記憶が無くてもわかる


優しさは変わらない


ありがとう


呼んでくれて



大丈夫、私は…負けないよ。


『我はこの世界の創造主、我に力をかしたまえ』

私の周りに光の粒が現れた


『すぐに戻るから』

光の粒が黒い壁を消してくれた


サボの手が見える。






外の光が見えた

『ありがとう、もう大丈夫だよ』

「心配かけさせやがって」

二人の顔には笑顔があった

３２→←３０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す