初めまして彼氏さん .上杉謙信 ページ29
とっても良く似合う。
ピンク色のスカートもふわふわと首元のリボンが目立つトップスも、とっても似合う。
目の前で可愛いなぁと言っている常連のAちゃん。長い間うちのお店を利用してくれているしとっても丁寧で、この店をやってきて良かったと思わせてくれるお客さん。
「Aちゃん、今日はいつもとテイスト違うね?何かあったの?」
Aちゃんは何でも良く似合うけど、いつも買う服とちょっと違う。こういった女の子らしい物より、ナチュラルな服が好みの筈だから。
「実は、彼がこういうの好きかなって」
彼、彼。照れたように出てきた言葉に驚いた。そうか、Aちゃんももうそういう年頃かと、親戚のおばさん気分になってしまう。
というより、あんなに可愛いAちゃんをもっと可愛くさせてしまう彼とは一体何者なんだ。見てみたい、その彼とやらを。
「もうすぐ来る筈なんですけど、あ、来た」
Aちゃんの視線に釣られて後ろを振り返る。
いや、いやいや。何だこの美青年は。
身長はあるし顔面は国宝級じゃないか。
この物腰の柔らかそうな微笑み、可愛らしいAちゃんの隣に立つともっぱら絵になる。
「遅くなってごめんね。」
少し申し訳なさそうな彼氏さん。声まで美しい。
「うん、とってもよく似合ってるね。」
彼氏さんがそう言うとAちゃんの顔が赤くなる。これがきっと恋する女の子の顔だ。
敵わない。いくら私がAちゃんにお洋服の魔法をかけても、きっと彼氏さんの一言には敵わない。
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コッティ(プロフ) - 推しの回はそれぞれの中の人ですか?(笑) (2023年1月18日 0時) (レス) @page12 id: 4263074a64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤の花 | 作成日時:2022年12月16日 23時