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それが今回功を奏した。

その化け物に追いかけられても中々捕まらなかった。
友達と冒険して見つけた細い道をすり抜けてみたり、裏を回って化け物を撒いてみたりした。



頑張った。
彼女は本当に頑張った。


人間ではない、あの化け物相手によく逃げ回った。




だが...どんなに逃げてもあいつらは疲れない。だって、人間ではない(・・・・)


化け物(・・・)なのだから。





彩の体力はもう限界だった。

なんでもない所でクタクタで力の入らない自分の足に引っかかり、その場に倒れ込む。




「ったく、面倒なことしやがってよォ。どうせ捕まるのになァ。可哀想にィ。」





ケケケッと気味の悪い笑みを浮かべ、彩を狙うそいつ。
ギラりと血走った瞳が彩を捕らえた。



それに彩は絶望し、そして悟った。



自分はここで死ぬのだと。





悔しくて、悲しくて、怖くて...

再び視界がボヤける中、突然何かが宙を舞った。それと同時にバタリと目の前にいた化け物が倒れた。





...え?





カチリッと何か金属が擦れる音が自分の背後から聞こえた。





「...大丈夫か、嬢ちゃん。遅くなってゴメンなァ。よく逃げたな。」





驚き、呆然としていたら低い男の人の声が聞こえてきた。そして、ポンッと優しく、でもどこかぎこちなく頭を撫でられる。

強ばっていた彩の身体からふっと力が抜ける。
その男性の優しい温もりに大きな瞳からボロボロと雫が溢れた。
嗚咽をもらして大声で泣く彩をその男性は柔らかな瞳で見つめていた。





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___真ん丸な満月の美しくも儚い夜。









今、ここに新たな物語が幕を開けた。









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Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - とても面白いです!続き待ってます (2021年1月24日 8時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます!!更新遅めですが頑張ります! (2020年11月15日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2020年9月14日 17時) (レス) id: faad7bf9c4 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 紅楓さん» ありがとうございます!ちょこちょこ更新出来たらいいなと思っています。頑張ります!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2020年6月8日 23時

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