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027【黒木&若武】 ページ29

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ゆらりと黒木の瞳が僅かに揺れた。
じっと睨み返すように音柱さんを見つめ、何かを見極めるように目を細める。
音柱さんもその返事を待つように静かに黒木を見つめていた。


...一触即発の空気


その空気を壊すように、さぁっと二人の間を冷たい風が頬を突き刺すようにして吹き抜ける。



ヒラヒラと木の葉が舞い上がり、それが落ちた時。
黒木が微かに握りしめた拳を緩め、静かに口を開いた。






「...俺は煉獄さんの弟子です。許可は煉獄さんに取ってください。」






その言葉に一瞬目を見張り、ニヤッと笑った音柱さん。

くしゃりと黒木の髪を撫で、煉獄さんの方に向き直った。





「悪いな、煉獄。コイツ、俺が貰ってくぜ!」






そんな音柱さんに仕方なさそうに珍しく苦笑を漏らしながら黒木の方に視線をやる。






「黒木少年。...本当にいいのか。」



「...はい。お世話になりました。」





そう言って黒木は少しだけ申し訳なさそうに頭を下げた。

それに快活に笑うと、ポンッと肩を叩く煉獄さん。





「宇髄は少々変わっている所はあるが、きっと君を正しく導いてくれるだろう!!」



「おいおい、煉獄。少々変わってるってなんだよ。俺はド派手に...」



「はい。...若武のこと、よろしくお願いします。」




「お前も聞けよ、黒木。」





音柱さんを無視してちらりとこちらを見ながら煉獄さんに挨拶をした黒木。




お前、これからその人の弟子になるのにいいのかよ。





目上の人に珍しく反抗的な黒木に少し驚きつつも おもしれぇな... なんて思う。

いつも余裕ぶっこいてて、どこか大人びている黒木の、年相応な姿を久々に目にした気がした。


特に...アイツらと離れてからはその姿を見たことはなかったから。



どうしても緩む頬を引きしめ素早く駆け寄った。
そして、目の前で立ち止まり仁王立ちする。






...クソ、身長差があってなんか決まんねぇ。絶対伸ばす。





そんな決意を密かに固めながら息を吸って挑むように口角を上げる。






「黒木。俺、ぜってぇ負けねぇからな!どっちが強くなるか、勝負だ!」





その言葉に黒木は自信に満ちた光を双眸に瞬かせて不敵に笑うと右手を差し出した。





「あぁ。若武先生には負けないよ。」





その言葉にふっと笑い、出された手を力いっぱい握り締めた。






.....そんな様子を見て、やっぱり男の子ね、素敵! と甘露寺さんがはしゃいでいたのはまた別の話。





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Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - とても面白いです!続き待ってます (2021年1月24日 8時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます!!更新遅めですが頑張ります! (2020年11月15日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2020年9月14日 17時) (レス) id: faad7bf9c4 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 紅楓さん» ありがとうございます!ちょこちょこ更新出来たらいいなと思っています。頑張ります!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2020年6月8日 23時

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