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014【黒木&若武】 ページ16

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各班で分かれて2週間が過ぎる頃。


若武と黒木は鍬を片手に全力で走っていた。
スイスイと予め調べておいた道を迷いなく走る2人を追う影... " 鬼 " がそこにいる。



実はこの2人、鬼と遭遇するのは初めてではない。
仲間たちと分かれてからすでに何度か遭遇しているのだ。



嬉しくもないが、ようやく見慣れてきたその影に顔を一瞬見合わせ、小さく頷くと若武がキュッと足を止めた。


最初にこの鬼と遭遇した場所よりも開けたそこ。
あまり人気はなく、周囲に被害が及ばぬよう、しっかり昼間のうちに調査済みだ。


サラリと揺れる黒髪から覗いた大きな瞳が鬼を鋭く貫く。




「なーに?もう諦めちゃうのォ?ヒヒ...ッ折角楽しめると思ったのになァ。ヒヒ...ッ...まぁ、いいやァ。

なら、さっさと...喰われろよォッ!!」




気の抜けた声で話し、妙な笑い方をする鬼が突然変異し、鋭い爪で若武に飛びかかる、と思えば、いつの間にか姿を眩ませていた黒木が鬼の腕を鍬で斬った。



ザシュッと嫌な音と共に真っ赤な鮮血が闇に舞う。



自分たちにその返り血がつくのも気にせず、まるで鴉の羽のように艷のある黒髪を揺らし、黒木はそのまま鬼の頸も落とした。


それに対し、鬼は一旦焦りはしたものの、すぐに体制を整え、余裕そうに2人を見つめる。




「はっ、そんなもんじゃァ、俺は死なないよォ。ヒヒ...ッ残ね...」




また黒木の鍬が鬼の頸を捉えた。
その表情はとてもひんやりとしていて、冷たい。


何の感情も見えない瞳で黒木は淡々と何度も再生する頸を斬り続ける。
囮になっていた若武は鬼が動けないよう四肢を狙う。




黒木たちが持っている武器はただの鍬だ。
日輪刀ではない。

そのため、いくら頸を斬られようとこいつが死ぬことはない。





つまり、ここからは体力勝負なのだ。


2人にはこの鬼を殺すためにはただ朝日を待つしか出来ない。


少しでも再生を遅くできるよう、頸と頭を重点的に狙う。


小柄な身体を生かして素早く動ける若武が暴れる四肢や心臓を飛ばし、長身で軽く体術を嗜む黒木が頭や頸を斬ったり潰したりする...

その繰り返し。





このようにして2人は毎回遭遇した鬼を倒してきたのだ。


最初は慣れずに少々怪我をしたものの、回を重ねるごとに怪我の数も減っていた。



夜明けまで残り数十分。
お互いに勝利を確信し、ほくそ笑んだ2人。






...だが、人生そう上手くはいかなかった__





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Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - とても面白いです!続き待ってます (2021年1月24日 8時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます!!更新遅めですが頑張ります! (2020年11月15日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2020年9月14日 17時) (レス) id: faad7bf9c4 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 紅楓さん» ありがとうございます!ちょこちょこ更新出来たらいいなと思っています。頑張ります!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2020年6月8日 23時

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