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プロローグ ページ1

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__とある所に麗らかな春の陽射しに包まれ、スヤスヤと桜の木の下で眠る幼い少女が1人居た。



彼女の名前は 立花 彩。
ぱっちりとした大きな瞳に透き通るような白い肌。そしてサラサラとしたショコラブラウンの髪。
巷では少々有名な少女である。


そんな彼女の眠る元に近寄る6つの影。
勝ち気そうな大きな瞳を煌めかせる少年が屈みこんで声をかけた。




「アーヤ。そんな所で寝んな。風邪ひくぞ。」




その声に うぅん と小さく唸りながらもすぅすぅと穏やかな寝息を立てる彩。
そんな姿に苦笑しながら、大人びた容姿の少年が、肩にポンッと手を置いた。




「諦めろ、若武。姫はどうやらお疲れらしい。」


「ちぇっ。折角遊ぼうと思ったのに。」



拗ねたように口を尖らせる少年に周りは苦笑していると、その様子を黙って見ていたメガネの少年がスっと動いた。自分の着ていた羽織を脱ぎ、少女にそっとかけてやる。
それを見たサラッとしたボブを揺らしからかうように口の端を上げた少年がヒューッ と軽く口笛を吹く。




「やるね、上杉。さすが。」


「...るせぇ。」




ツンっとほんのりと頬を赤く染め、そっぽを向く少年にクスクスと優しそうな少年が笑った。




「あ!おい、七鬼!てめぇ、何アーヤの横に寝てんだよ!!」


「なんかこいつ見てたら俺も眠くなってきたから。お前らもどう?」




怒鳴る少年にケロりとした表情でそう言いながら少女の隣で寝転び閉じていた菫色の瞳を眠そうに覗かせる少年。
その言葉に顔を歪めさせながら、ゴロリともう片方の空いていた少女の隣に横になる少年。結局全員がその場に寝転んだ。




静まり返った桜の木の下。
穏やかで、どこか優しい風がふわりと吹き、ヒラヒラと薄いピンクや白い花が彼らに降り注いだ。

それは少女も同じこと。
彼女のとても綺麗な茶色の髪に何枚かくっついた花弁を隣にいた少年が静かに取ってやった。
なんの夢を見ているのか、薄ら微笑むその少女を柔らかな瞳で彼らは身を起こしてじっと見つめる。




彼女は彼らにとって特別だった。

大切で、何よりも守りたい彼女。
彼らは彼女といれるこの時間が宝物だった。




...幸せ、だった。
幸せで、幸せで、こんな時間がずっと続くと、頑なに信じていた。




だから...思ってもみなかったのだ。





まさかこんな形で、自分たちのこの時間が壊れることになるなんて。







__嗚呼...





幸せが壊れる時はいつも "血の匂い" がする






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Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - とても面白いです!続き待ってます (2021年1月24日 8時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます!!更新遅めですが頑張ります! (2020年11月15日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2020年9月14日 17時) (レス) id: faad7bf9c4 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 紅楓さん» ありがとうございます!ちょこちょこ更新出来たらいいなと思っています。頑張ります!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2020年6月8日 23時

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