白い薔薇の花言葉

＊ ページ4

ーRen.Nー


koiｰwazuraiのパフォーマンスは無事に終わって、残りの俺らの出番は、

ジャニーズ青春ドラマメドレーPart2のみ

JUMPさんの真夜中のシャドーボーイを歌わせてもらう。


“シャドー”の部分はメンバー内でオーディションして紫耀が言うことになったんよ。


ただ、ひとつ問題があんねん。


「シャドー…」


練習でずっと俺に向かって言ってくる。

その一言を言うだけならまだ許せる。


けども！！

あの色気ダダ漏れで、瞳に熱を孕んだ状態で俺を見つめて言ってくるんよ。何度も何度も。

心が持たへんって、まじで。けど、嬉しい。

俺だけの紫耀を見てるみたいで。


ただ、本番はそれをテレビカメラに向かってやるんやろ？

電波に乗せるんやろ？

日本中に発信するんやろ？

たくさんの女の子たちも見るんやろ？



……そんなの嫌や。



職業柄、そういうのはしょうがないと割り切ってはいる。

しかし、それとこれとは話が違う。

もともと紫耀はノーマル。リアコなティアラも多いらしい。この業界は美人な女の人も多い。

いつ俺が紫耀に飽きられるかわからん。



「やるしかないか……」



紫耀があれを電波に乗せるんなら、俺も対抗するだけや。


青春メドレーPart2の前にあるCM前の数秒の宣伝時間

紫耀、迷惑やったらごめんな。


でも許せ。
俺の将来がかかっとんねん。


･



「「「ジャニーズ青春ドラマメドレーPart2！
このあとすぐ！」」」


すまん、これだけは許してや。

そう心の中で謝ってほんの一瞬だけ、紫耀の腰周辺に控えめに腕を回した。


「！！」


一瞬驚いて俺の方を見たけど、その瞳は優しさを帯びる。

驚いてはいたけれど、どこか嬉しそうやった。


･


その後ネットで俺が紫耀にくっついてたことが話題になってたらしい。


平野紫耀は俺のや、って公に言いたいけどこんな仕事をしてる以上そんなことは許されん。


だから、せめてほんの一瞬だけでもええから、アピールしたかった。


“紫耀は俺のや”って。


ちょっとした独占欲。






「廉、」

こうやって名前を呼んでくれるのは俺の特権


「好きだよ」

こうやって愛を囁いてくれるのも俺の特権


「…んっ、」

こうやって優しくキスを落としてくれるのも俺の特権



「俺も、…おれも、好きや」

俺のほんの一瞬の独占欲に紫耀は気づいてくれたんかな？


俺もちゃんと紫耀のこと好きなんよ？


伝わってくれたかな？

そうやとええな。



･


『ほんの一瞬の独占欲』fin.

〇今日だけ→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す