romance 38 ページ39
門を潜り抜け、敷地をまっすぐ突っ切っていく勇太。
「ねえ、もしかして」
声をかけたときには、そこへとたどり着いていた。
「うん。ここ」
大学の敷地の端っこ。レンガ塀の古めかしい建物の前に、２人で佇む。
扉は閉められていて、設置している掲示板には日曜礼拝やイベントの案内が書いてある。
「始まっちゃってんのかな？」
「え、ちょっと！」
止める間も無く勇太が扉に手をかけて、そうっと引いた。
低く、柔らかに歌うような牧師さまの声音が流れてくる。
２人で静かに体を滑り込ませ、一番後ろに空いていたベンチへ腰掛けた。
礼拝が終わり、穏やかな顔で出ていく人たちを見送って、ボーッと祭壇を眺める。
「わたし、日曜礼拝って初めて来た」
「俺も。
Aもこういうところで永遠の愛とか誓っちゃうんだねー」
マリアさまを見上げながら、隣でふわりと呟く。
勇太の方へと顔を向ければゆっくりと振り向いて、柔らかく細められた瞳と視線が絡み合った。
・・・なぜだか、胸の奥の方でコトン、と音が聞こえたような気がした。
「や、やめてよ、その言い方。なんか恥ずかしい」
指先だけでその肩をべしっと叩くと、「なんでだよー」ってクスクス笑ってる。
「しあわせにしてもらいなよ、加藤さんに。
・・・さて」
返事をする前に、勇太はすくっと立ち上がった。
もう礼拝堂の中にはわたしたちだけだ。
「お腹すいてるかもしれないけど、ごめん、もうちょっとつきあって」
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レジーナ(プロフ) - どさんこさん» ありがとうございます(^ ^)少しでもお暇潰しになれば幸いです☆ (2020年5月15日 17時) (
レス) id: f10a3ced08 (このIDを非表示/違反報告)
どさんこ(プロフ) - うわあ〜！！！！！！待ってました！ありがとうございます(^^) 私も最近は海人と神宮寺の爆イケ具合が上がってきてます！！これから楽しみに読ませて頂きますね(^^)またきます！頑張ってください。 (2020年5月15日 17時) (レス) id: 2b49440ff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レジーナ | 作成日時：2020年5月15日 13時
