お隣の彼

交換 ページ8

*


ミンギュくんに連絡先を交換しようって言われた。


MG「俺たち幼なじみなのに連絡先も知らないじゃん？」


『だってお隣だもん、知らなくてもいい距離だったでしょ』


MG「でも今は違うから。ほらスマホ出して」


『私と交換しても話すこと…ある？』


MG「いいから。俺に一大事があって両親に連絡つかなかったらAちゃんに連絡するから」


『え。私に連絡くるような一大事とかあっても困るよ』


MG「なに。俺と連絡先交換するのやなの？幼なじみに対して冷たくない？」


ジロっと私を見る。


『あ、や、そういうわけじゃないんだけど』


何年も疎遠だったのに急に幼なじみを出してくるから。


MG「じゃ、いいじゃん。ほらーロック解除してよ」


そう言われてロック解除をすると私のスマホを奪って操作して。


はいって渡されたスマホにミンギュくんの連絡先が追加された。


MG「ぶっ、何だよAちゃんのアイコン。ピザまんって…やっぱりまだ好きなんだね」


しまった…ミンギュくんにめっちゃ笑われてる。


何で私ピザまんなんかアイコンにしたの。


いくら好きだからって女子力どん底。


女子大生といえば聞こえはいいけど現実はこんなもんだ。


それに比べてミンギュくんのアイコンは誰が撮ったのかカフェかなんかで頬杖ついて横向いてる写真。


アイコンまでかっこいいなんてズルい。


『ああ…私に比べてミンギュくんのは随分ステキですこと』


MG「これさ、大学の友達とカフェ行った時に撮られたんだけどいい写真じゃない？」


『ほーんと。楽しそうな大学生活で。私なんてここ最近就活しかしてないし』


ついつい憎まれ口をたたいてしまう。


MG「Aちゃんだってこの3年間楽しそうに大学生してたじゃん。俺が受験勉強してる間にさ」


『う、そうだけど。だっておばさんがミンギュくんが一人暮らしの大学生活満喫しまくってるみたいって言ってたもん。私なんてずっと実家だし』


MG「それはしょうがないだろー？」


なんか色々うらやましいって思いながらアイスの最後の一口をぱくっと食べた瞬間


"カシャ"


カメラのシャッター音がした方を見たら、ミンギュくんが私を入れて自撮りをしていた。




*

ロマンチックなことなんて→←あとかたづけ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す