episode 21 ページ22
男主 side
俺たちは双子だった。
俺の兄は優しくて、頭も良くて、でも時々出てくる不気味な感じが少し怖くて。
けど、自慢の大好きな兄だった。
俺たちが生まれた時、俺と兄ちゃんはよく喧嘩をしていた。
俺もまだ活発な時期で、言いたい事はなんでも言う頃だった。
兄もそうだった。
だから言われていた事があった。
二人で半分こしなさい。
はあい。
それは、俺が個性が発言する前によく言われていた言葉だった。
俺と兄ちゃんはそう言うと、いつも半分こした。
その時は、何故か呪文を掛けられたかのように半分こをした。
それに俺も兄も反対する事はなかった。
あの日。
俺は今でも忘れられない事件があった。
俺はもちろんこんな個性だから、嫌がらせを受けた事はある。何回もある。なんなら今でもある。
小学生に上がって数ヶ月経ったある日。
度を超えたいじめが起きた。
その時、ちょうど兄に鉢合わせしてしまい、それを見たにいちゃんが俺のクラスの教室に入り、いじめっ子の頭を椅子で殴ったのだ。
何度も力任せに殴っていた。
その子は重傷を負って、兄は呆然とその場に立ち尽くしていた。
その後も、兄は何度もそのような事を繰り返し、結果、少年院に行ってしまった。
その事を都合よく奴らは思ったのか、いじめは止まらなかった。
なぜ、この事は教師の耳にも届いているのに現状が変わらないのか。
それは兄が無個性だったからだ。
俺は個性を持っているが、こんな個性なんだから現状は変わらない。
そして、俺が公安に関わってきたぐらいの時期。
兄は急に姿を表して俺の元に帰ってきた。
俺は嬉しさで涙が溢れてきた。
あんな事があったけれど、兄ちゃんは俺の為に守ってくれたと思うと嬉しいという気持ちしかなかった。
照れ臭そうに、バカとか言うのだろうか。
そんな泣くなよとか、乱暴に頭でも撫でてくれるのだろうか。
だが、帰ってきたのは予想を遥かに超えたものだった。
「ごめんねぇ、本当に。怖かったよね？ 大丈夫、またお兄ちゃんが守ってあげるから、ね？ なんでも言ってね？ 公安の奴らなんかより、俺がお前の事一番知ってるからさぁ」
肩を両手で掴まれて。
真っ直ぐとした赤い目に見つめられる。
変に口角の上がった口元からは、変に甘ったるい声が聞こえる。
変に鳥肌が立ってしまい、返答に困ってしまう。
この時だった。
兄を不気味に思い始めたのは。
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雪月花 - 面白いです！！面白すぎて一気読みをしてしまいました。更新頑張ってください！応援してます！！！ (2021年12月25日 12時) (
レス) @page25 id: dcac8e28b5 (このIDを非表示/違反報告)
廃部させ隊 - 面白すぎy((これからも頑張ってくださいｯｯ好きｯｯ (2021年12月16日 19時) (レス) @page24 id: 4296e190f8 (このIDを非表示/違反報告)
み。(プロフ) - のむさん» ありがとうございます🥲🥲嬉しいです‼️ (2021年12月9日 18時) (レス) id: fd44de550f (このIDを非表示/違反報告)
のむ(プロフ) - 一気に最新話まで読み切ってしまいました！楽しみにしてます！(*´ω｀*) (2021年12月7日 21時) (レス) id: 08e3594b41 (このIDを非表示/違反報告)
み。(プロフ) - ライさん» 教えてくださってありがとうございます😭直しておきます (2021年11月26日 17時) (レス) id: fd44de550f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み。 | 作成日時：2021年11月13日 21時
