幼なじみへの愛を100字以内で述べよ。 (ページ19)

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駅のホームに着くと、帰宅ラッシュ間近なのかサラリーマンや学生で溢れかえっていた。

｢俺から離れないでね｣

紫耀はそう言うと、私の手を取って着いたばかりの電車に乗り込む。

電車内は想像以上の人口密度で人がぎゅうぎゅう詰め。

紫耀は私の手を引いて後列車との間のドア付近まで来ると、私を壁側に立たせた。

｢ちょっとの間狭いけど我慢できる？｣

私が頷くと紫耀は少し笑って私の頭の上にポン、と手を置くと、私に背を向けて立った。

電車がゆっくりと動き出す。

目と鼻の先に紫耀の背中があって少し動けば当たりそう。

どこを見たらいいのかわからず、とりあえず携帯を開いてSNSを見る。

だけどこの状況に緊張して全く内容が入ってこない。

しばらくボーッとSNSの文字の羅列を見ていると、前に立っていた紫耀がこっちを振り返る。

｢次降りるよ｣

電車がゆっくりと駅に停車し、

紫耀はまた私の手を引いて人と人の間をすり抜けていく。

電車からホームに降り立つと、紫耀は私の方を振り返る。

｢ごめん、狭かったよね？｣

｢ううん。大丈夫｣

学校の最寄り駅から数駅離れたところまで来ていて、家とは逆方向だから滅多に来ない場所。

駅を出ると閑静な住宅街が広がっていて、お店はコンビニやスーパーしかないように見える。

｢一体どこに行くの？｣

｢あとちょっとで着くよ｣

紫耀は迷うことなく住宅街を進んでいく。

どこを見てもほとんど住宅しかない。

ここに何しに来たんだろう。

｢着いたよ｣

紫耀がピタ、と足をとめる。

そこには外観がとてもおしゃれなカフェがあった。