My girl……？〜cord of love〜【nt×ar】

＊ ページ8

大貴side




病院に着くと冴島さんが声をかけてきた





冴｢有岡さん、頼武くん預かります｣

大｢あ、すいませんありがとうございます｣





頼武を預けてスタッフステーションにいる白石先生の元へ





大｢すいません、｣

白｢あ、有岡さん。わざわざすいません…｣

大｢いえ…あの、颯馬は…｣

白｢…ご案内します｣





連れてこられたのはICU(集中治療室)


俺が事故にあった時に入院してた、あのガラス張りの個室


深呼吸をしてから、中に入った



ベッドの上で目を瞑ってる颯馬


おでこにはガーゼが


口にはチューブが挿してある


他にもたくさんの管に繋がれていて、その姿はとても見苦しかった





大｢颯…馬…｣

白｢…右大腿骨の骨折と、内臓の損傷、肋骨の骨にもヒビが入っていました…。幸い、骨盤骨折はなかったようですが…危険な状態です｣

大｢…は、い…｣

白｢…私の注意が怠ってました…。あの時、名取先生を止められてたらこんな事態には…

すいませんでした｣

大｢…颯馬は…ちゃんと医者として仕事をしてたんですよね…？｣

白｢…名取先生が助けようとしていた患者さんは今一命を取りとめ、回復の方向へ向かってます｣

大｢…よかった…ちゃんと仕事してたんだね…。

…あの、颯馬のことを、よろしくお願いします｣

白｢…はい、全力を尽くします｣





白石先生が出ていったのを確認して颯馬の横の椅子に座った


俺が体調を崩してた時、颯馬がしてくれたように


颯馬の手を握り、おでこに当てた





大｢…目開けてよ、颯馬…｣





そう問いかけても返ってくるのは一定のリズムを刻む機械音だけ





大｢…ｯｸ…ｸﾞｽｯ…｣





薄暗い部屋の中、俺の嗚咽と機械の音だけが響いた

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