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大切な…。 ページ17

颯馬side





眩しい…ここは…?



目を開けると見慣れない景色


まだ視界がぼんやりとしていて状況がわからない


わかったのは、俺が寝てるってこと



そして何故か脳内に思い浮かんだのは大貴と頼武



俺は…一体…?



声を出そうとしても出なかった


いや、出せなかったの方が合ってるかもしれない


この感覚…恐らくそうだ



手をゆっくりとあげると腕には点滴の管が刺さってた


曖昧になってた記憶が鮮明になってくる


そうだ。俺はあの時鉄骨に挟まれて…





白「名取先生?」





あ…白石先生…





白「名取先生?わかる?わかったら手を握って」





俺はゆっくりと、白石先生の手を握った


早くこの管を外して欲しい。その一心で





白「よかった…挿管のチューブ外すわね」





その後、冴島さんたちが来て俺の口からチューブを取ってくれた


若干むせたけど





颯「白石…先生…俺…」

白「幸い、骨盤骨折はなかったわ。でも内臓損傷があった。今は安定してる。

あとは、右大腿骨の骨折。肋骨にもヒビが入ってる」

颯「そう…ですか」

白「とりあえず、無事でよかった…。有岡さん、今こっちに向かってるらしいから」





その言葉を聞いた瞬間、大貴に会いたい。抱きしめたいという欲が湧いてきた。なかはわからないけど





颯「わかりました…」

白「ん。じゃあ、」

颯「ぁっ…白石先生」

白「ん?」

颯「あの…すいませんでした」

白「え?」

颯「俺…怪我しちゃって…。医者が二次災害にあっちゃいけないってあれ程言われてたのに…」

白「ううん。指示が遅かった私も悪いから。名取先生が患者さんを救いたいっていう気持ちは、私もよくわかるから」

颯「…はい」

白「それに、名取先生の的確な治療のおかげで、あの患者さんは回復してる」

颯「…はい」

白「誰もあなたを責めないわよ。名取先生は、ちゃんとフライトドクターだったから」

颯「…それなら…よかったです」

白「うん。じゃあ、お大事にね」

颯「ありがとうございました」





白石先生が出てくのを見送ってからベッドをゆっくりとリクライニングにした


俺の足は見慣れた器具で固定されていた



…患者になるってこんな気持ちなんだ…



ふと外を見るとちょうど日が昇っていた


大貴、早く来ないかな…



そう考えながらぼーっとしてた時


ドアがゆっくりと開き、俺の会いたかった人の姿が見えた

*→←*



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miko - 作品読ませていただきましたぁ!!!いやぁ...つなぐさん天才です (2020年5月6日 17時) (レス) id: e521ced911 (このIDを非表示/違反報告)
ホワイトタイがー(プロフ) - いつも楽しみに読ませてもらってます。 あの後、羽琉君がどうなったのか先が凄く気になっているので、こちらの方も更新して下さいね…(*^^*) 楽しみにしてまぁ〜す。 (2020年2月18日 21時) (レス) id: 452ba60033 (このIDを非表示/違反報告)
由依(プロフ) - つなぐ〜!久しぶり!!ゆかだよ〜!移行おめでとう!!更新頑張ってね〜〜!! (2020年1月13日 13時) (レス) id: 465319fe87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つなぐ。 | 作成日時:2020年1月12日 17時

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