君を呪う【短編集】

嫉妬 狗巻棘 ページ6

「あ〜可愛い〜。もふもふ最高〜」


私は今、絶賛パンダでもふもふ中。
先程任務から帰ってきたところだ。


「Aと棘は凄いな…2級術師だから1人で任務こなすんだもんな」


２年で2級術師なのは私と棘だけで、その棘も今は任務に行っている。


「やっぱり、棘がいないと寂しい？(ニヤニヤ」
「ンなわけないでしょ！」



パンダがいれば任務の疲れは癒されるからね！

でも、やっぱり恋人がそばにいないのは寂しかったりする…



私はムギューッとパンダを抱きしめた。


「棘にバレたらまずいんじゃないの？」

そう、実はこの前パンダでもふもふしていた事を怒られたのだ。だから、最近は棘にバレないようにもふもふするようにしている。


「任務に行ったばかりだから、しばらくは帰ってこないって」


そう言ってもう一度抱きついた時…




「…しゃけ」
「あ、おかえり…」


まさか、こんな早く帰ってくるとは…
そろりとパンダから離れ、棘に向き直る


「に、任務お疲れ様…」


冷や汗を垂らしながら労いの言葉をかけてみるものの、返答なし…


「…俺、知ーらね。」
「あ、ちょっ、パンダ！置いてかないでよ！(ガシッ」


走り去るパンダを追いかけようとするも棘に腕を掴まれ、できなかった


「いや〜…その、たまたまバランスを崩して抱きついてしまったというか…不可抗力というか…」


嘘をついて誤魔化そうとするものの、棘にはバレバレのようで睨まれてしまった。


「すみません…嘘です。許してください」
「おかか」
「ですよね…許してくれませんよね…」


…よし、こうなったら

「逃げるが勝ち‼」
棘の腕を払い猛ダッシュ



「動くな…」


…しようとした


「呪言使うのはずるいんじゃないですかね…
申し訳ないとは思ってるけど、私にとってパンダはただの癒しで、別に浮気とかそんなんじゃ」「黙れ」

棘がこんなに怒っているのは初めてだ…ちゃんと謝ろうと思い顔を上げると棘の顔が間近にあり

驚く間も無く、唇が触れた。


「ッ、ん！」


何度か口づけした後、
棘は私をギュッと抱きしめ、首筋に顔を埋めた…


「…」





「不安にさせてごめん
でも、私が好きなのは棘だけだから…」


顔を上げた棘と目が合う


「ホントにホントに大好き…」
「…しゃけ…」
「ありがとう」


どうやら、許してもらえたみたいだ。

「愛してる…僕だけを見ろ…」
「うん」










彼の愛(のろい)がこもった言葉に私は逆らえない…

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