理由にならない ページ18
立ち上がった俺を、安井くんが引き留める。
ドアに向かおうとしていた体が、言うことを聞かずに崩れ落ちた。
安「馬鹿っ………こんな体で、どうするつもりだよっ！！」
だって俺、約束したんだ。
"生まれ変わったって、きょもを見つける"って。
この足が使いものにならなくても、どんなに体がボロボロになっても。
そんなの何一つ、俺がきょもを一人にする理由にならない。
安「樹っ、！！しっかりしろよっ……………」
ぐっと体が引かれ、安井くんが俺の頬を両手で包む。
安「京本はっ………大我はもう、居ないんだよっ………！どこにもっ……」
血を吐くような安井くんの声に、欠けた理性が震えた。
…………きょもは……居ない……？
………………だから、なんだって言うんだ。
樹「っ………それ、でもっ………………」
それでも、行かなきゃ。
樹「一人に、出来ない…………」
首がどくどくと脈打って、熱い。
なんとかして立とうとするけど、今の俺が安井くんに敵うわけもなくて。
力が抜けて、目の前がだんだんと暗くなる。
それでも、浮かぶのはきょもの笑顔で。
樹「………………たい、が…………」
血なのか、涙なのか。
紅く透明な雫が、頬を伝って、鎖骨に落ちた。
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彗星 - 感動しました (2023年2月12日 23時) (
レス) @page19 id: 796e3854f4 (このIDを非表示/違反報告)
UTA - 最後まで読ませて頂きました。一人パソコンで読みながら号泣しました。素晴らしい作品をありがとうございます。次の更新楽しみにしてますね！ (2019年10月16日 15時) (レス) id: 770a19984d (このIDを非表示/違反報告)
さっくー - 読ませていただきました。きょもじゅり好きなので、もう素晴らしい作品だと思いました！１人で部屋で読んでて、声が出るほど号泣しちゃいました。大げさかもしれませんが、今までの人生の中で一番泣いたんじゃないかっていうくらいです。続きがみたいです。応援してます (2019年8月23日 2時) (レス) id: cb97dfcd58 (このIDを非表示/違反報告)
ひっしぇる(プロフ) - 続きがみたいです！つい泣いちゃいました…応援してます！ (2019年8月2日 10時) (レス) id: a69e2af4db (このIDを非表示/違反報告)
紡ぎ糸 - この話の光景を想像するだけで、涙が出てきちゃいました。本当に、完結じゃなくて良かったです。これからも頑張ってください (2019年5月31日 16時) (レス) id: f3cd696ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽來 | 作成日時：2017年12月14日 6時
