Request：恋を唄う ページ48
Riddle side
｢Aちゃん！｣
｢はい、何か｣
｢秋の田の？｣
｢かりほの庵の苫を荒みわがころも手は露に濡れつつ｣
｢恋すてふ！｣
｢わが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか。……いきなり何なのですか、ユウさん｣
激しくAに同意だよ、いきなり監督生はどうしてしまったんだい。
ボク達にとって馴染みもなければ聞いたこともない言葉だけど、二人はすらすらと止まることなく口にしてるから、きっとこれはAとユウの母国の言葉なんだろう。
エースとユウ、グリムの三人が新商品を食べてみたいと言ったから、今ボク達はモストロ・ラウンジへと足を運んでいるんだ。
因みに面子はハーツラビュルとAと親しいジャック、加えて何故か異様に彼女に懐いているジャミルという不思議な感じだよ。
｢では軽く反撃致しましょうか。君がため｣
｢春の野にいでて若菜摘むわがころも手に雪は降りつつ！ でしょ！｣
｢うかりける｣
｢え！？ えーっと……ええっ、そんな句あったっけ？｣
｢うかりける人を初瀬の山おろし激しかれとは祈らぬものを、ですよ。それで、結局貴方は何が目的で百人一首を持ち出したのでしょうか｣
｢特に意味はないかなぁ。何となく思い出したんだけど、Aちゃんとなら話せるなーって思ってクイズにしてみた｣
深くは理解出来なかったけれど、やはりAとユウの生きてきた世界独特のものだってことは分かった。
ふむ、けれど不思議な発音をする言語を話していたんだね……ボク達の目の前、つまりはユウの両サイドに座っているエースとデュースが唖然として話についてこれてないよ。
二人が話が合うのは分かるけど、二人の世界に入り込まれると寂しいものだ。
｢ねぇ、A。さっきのは何なんだい？｣
｢和歌と呼ばれる、私とユウさんの住んでいた国独特の文化ですね。景色の美しさや、胸に秘めた思いなどを決められた語数に収めて表現した歌でございます｣
｢あんな短くて、リズムも何もねぇ言葉の羅列が歌なのか？｣
｢一応歌だよ。僕達がさっき言い合ってたのは、百人一首に選ばれた和歌なんだ｣
｢――なぁに、それ？ オレにも教えてよ、Aちゃん♡｣
｢僕もご一緒させて頂きますね｣
｢僕もAさんとユウさんの世界の文化には興味があります。是非、お教え願いたいです｣
フロイドにアズール、それにジェイドまで……キミ達は従業員としてラウンジで働いていたんじゃないのかい。
ボクとAの溜息が揃って吐き出された。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
