3 ページ50
pattern 3
中庭にて。
すよすよと
日々の授業をこなし、努力を怠らず、更にはモストロ・ラウンジの経営も行っているのだから疲労が溜まるのも当たり前だろう。
｢こんにちは、Aさん｣
｢おや、ジェイドさん。こんにちは｣
｢Aさんに会えて嬉しいです。ところで、貴女は一体何を見ているんですか？｣
｢アズールさんです。次の授業が飛行術だと聞いておりまして、起こそうか悩んでおりました｣
取引の材料にされた挙句、オーバーブロットに巻き込まれたというのに、彼女が自分達を嫌いにならなかったことにジェイドは心底安堵した。
更には気にかけて貰えている事実に対し、ゆるゆると口角が上がってしまう程に歓喜している。
そんな彼の内心など知る由もなく、Aが何も返答がこないことに眉を僅かに顰めれば、ジェイドは咳払いをしながら彼女の手を優しく握った。
｢アズールを気にかけて下さり、ありがとうございます。起こしちゃいましょうか｣
｢ジェイドさんが起こすのであれば、私は要らないのでは｣
｢ふふふ、それは有り得ませんよ｣
アズールの前まで移動し、ゆさゆさと肩を揺らして名前を呼ぶと、意外にも彼はすんなりと瞼を開けた。
ただ、完全に意識が覚醒しているわけでなく、ジェイドとAから起こされた為に目を開けた程度のものである。
アズールの目を覚まさせようとしたその時、Aの姿を見つけたグリムが、思い切り彼女の背中に飛びついてきた。
｢いぅ……！｣
｢っ、 ……んん！！？｣
その衝撃でAは前にのめってしまい、寝惚けながらも慌てて受け止めようとした彼と顔をぶつけてしまった。
目の前には双方の整った顔、重なる唇、そして口紅の様に艶やかな彼女の鮮血。
横にいたジェイドや、グリムを追ってきたエーデュースとユウ、ジャックの誰も彼もが顔を真っ青に染め上げた。
｢いいっ、いまっ！？ はぁ！？｣
｢……少々落ち着きなさいませ｣
凄く取り乱しているアズールにその言葉が届くわけもなく、彼の口からは衝撃的な言葉が飛び出したのであった。
｢――せっ、責任を取ります！！！｣
｢結構です。取り敢えず冷静になりなさい｣
＊
わたあめ様リクエスト、事故チューの御話。
私が選びきれなかったので、三パターン書かせて頂きました。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1885人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆるり(プロフ) - ゆゆ。さん» 黒執事好きですよ！！ ハムレットが出てくるんですか……！？ 漫画の購入が途中で止まっていまして……笑 近々揃えてちゃんと読んでみます！ でも！ 黒執事は凄く好きです！！！ (2020年8月20日 1時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ。(プロフ) - 凄く面白いです！(前の作品にコメごめんなさい…)ハムレットって黒執事にも出てきますよね…！もしかして作者様黒執事好きだったりしますか…？私的にはハムレット出てきて嬉しかったです（笑） (2020年8月19日 16時) (レス) id: ead64206de (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - マツリカさん» こちらこそリクエストありがとうございました！私もクルーウェル先生大好きなので書いていて楽しかったです！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - クルーウェル先生のお話ありがとうございました！！一生の宝物にしますうううつ！！！！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - えむさん» こちらこそありがとうございました！ 勿論、リクエストは受け付けております〜！私でよければまたどうぞ！ (2020年5月21日 16時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月3日 19時
