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｢わんっ｣
｢ほんに愛らしい……おいで｣
太腿に可愛らしい手を置いて見上げてくるポメラニアンに、背中をよじ登ろうとするミニチュアダックスフンド、腕の中で大人しく眠っているゴールデンレトリバーなどなど。
Aとクルーウェルの周りには沢山の子犬が好きなように過ごしており、二人はそんな癒しの光景を幸せそうに見つめていた。
そう、此処は"子犬カフェ"と呼ばれる場所である。
動物好きのAが楽しむことが出来て、尚且つ自分も子犬と戯れることが可能な子犬カフェは、二人にとっては楽園と言っても過言ではなかろう。
｢シベリアン・ハスキーは私の大好きな犬に似ているのですよ｣
｢そうなのか？｣
｢はい。日本犬と言いまして、きりっとした目元やふわふわの毛並みがとても似ています。……貴方、可愛いですねぇ｣
てこてこと寄ってきたハスキーの子犬はAの右手に掴まると、掌にぽすりと顔を置いて、クンクンと匂いを嗅ぎ始めた。
Aと子犬という好きなもの同士が戯れているのを優しい瞳で見守りながら、クルーウェルは近くに寄ってきたダルメシアンを抱き上げる。
唐突に異世界へと飛ばれたというのに文武両道に励み、様々な厄介事に巻き込まれているAを労い、癒す為にやって来た甲斐があるというものだ。
｢はむっ｣
｢羨ましい位に甘えられているな｣
｢昔から動物に好かれる体質でして｣
｢そ、うか……隣のショップを見てくるが、お前は此処にいるか？｣
｢そうですね、此処で待っております｣
瞳の碧が蜜の様にとろりと蕩け、甘くて優しい態度で子犬達を可愛がっているAの姿から目が離せなくなり、身体の芯から熱いものが溢れ出しそうな感覚に襲われたクルーウェルは、適当な理由をつけて一時的に部屋を抜け出した。
ぱたりと扉を閉めて凭れ掛かると、服の胸元を握り締めながら深い溜息を吐き出す。
｢――休憩ですか？ それとも隣のショップに用事ですか？｣
｢あ、ああ……ショップを見せてくれ｣
｢分かりました、ご案内します。彼女さんにピッタリのアクセサリーが見つかると良いですね｣
どうやらカフェに併設されているショップは多種多様なアクセサリーを扱っているらしく、恋人同士で訪れた客が相手への贈り物として購入していくパターンが多いらしかった。
態々勘違いを訂正する必要性もないかと考えて、クルーウェルはそのまま店員の話に相槌を打つ。
からんっ、と木製のベルの音が響き、扉がゆっくりと開けられた。
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ゆるり(プロフ) - ゆゆ。さん» 黒執事好きですよ！！ ハムレットが出てくるんですか……！？ 漫画の購入が途中で止まっていまして……笑 近々揃えてちゃんと読んでみます！ でも！ 黒執事は凄く好きです！！！ (2020年8月20日 1時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ。(プロフ) - 凄く面白いです！(前の作品にコメごめんなさい…)ハムレットって黒執事にも出てきますよね…！もしかして作者様黒執事好きだったりしますか…？私的にはハムレット出てきて嬉しかったです（笑） (2020年8月19日 16時) (レス) id: ead64206de (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - マツリカさん» こちらこそリクエストありがとうございました！私もクルーウェル先生大好きなので書いていて楽しかったです！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - クルーウェル先生のお話ありがとうございました！！一生の宝物にしますうううつ！！！！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - えむさん» こちらこそありがとうございました！ 勿論、リクエストは受け付けております〜！私でよければまたどうぞ！ (2020年5月21日 16時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月3日 19時
