14 ページ14
ジェイドがスマホでケイトのマジカメをチェックしている間、Aはサムに貰ったホットミルクをちびちびと飲みながらイデアとビーンズシューターLの開発過程について話をしていた。
｢……よし、ではAさん。僕と一緒にケイトさんとユウさん、グリムさんと合流しませんか？｣
｢おや、居場所の特定は終わったのですか｣
｢はい。ですが、僕は直接そこに向かうのではなく、迂回して高台の方から行こうと思っています｣
｢え……ケ、ケイト氏お仲間なんでしょ？ 態々迂回する必要ある……？｣
｢少々考えがありまして、ふふふ｣
ケイトが行く先々で写真をアップしている為に今どの辺にいるのかを予測できるらしく、最後の投稿では校舎から真っ直ぐメインストリートの方へと向かっている光景が映されているようだ。
ジェイドの"考え"を大体予想出来たAは一つ頷きを返すと、サムとイデアに礼を伝えてビーンズシューターを抱きかかえる。
小柄で華奢な彼女にとって、ビーンズシューターLはサイズが多少大きかったようだ。
｢ではお二人共、ゲーム終了後にまた会いましょう｣
｢A氏、が、頑張ってね｣
｢健闘を祈ってるよ｣
＊＊＊
高台周辺の森にて。
ジェイドは大木の幹の裏側に身を潜め、Aはその木の枝に歌膝のような格好で座りながらメインストリートの方に視線を向けていた。
｢八時の方角のメインストリートまで遮蔽物がないのは良いですね。流石です、よくこんな場所を見つけましたね｣
｢こういうものは経験がものを言う場合もありますからねぇ。なれど、たまたまですよ｣
｢ふふ、Aさんは控えめですね｣
木の枝の上からメインストリートを見下ろし、ケイト達のことを探しながらジェイドと適当な会話をしていれば、漸くその姿を捉えることが出来た。
トレイとルークに追われているところを見る限り、ジェイドとAの予想は当たっていたようである。
｢……ジェイドさん、貴方の予想した通りにケイトさん達が追われてやって来ましたよ｣
｢おや、本当ですか？｣
｢ええ。トレイさんの呆れ顔と発言からして、ジェイドさんと同様にケイトさんのマジカメを利用したようです｣
トレイの唇の動きから言葉を読み取った結果、やはり彼ら二人はケイトのマジカメを利用して場所を特定したらしい。
マジカメ中毒っぽい彼だから仕方が無いのかもしれないが、その習性を逆手にとられていれば世話がないだろう。
Aは小さく溜息を吐きながらスコープを覗いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1885人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆるり(プロフ) - ゆゆ。さん» 黒執事好きですよ！！ ハムレットが出てくるんですか……！？ 漫画の購入が途中で止まっていまして……笑 近々揃えてちゃんと読んでみます！ でも！ 黒執事は凄く好きです！！！ (2020年8月20日 1時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ。(プロフ) - 凄く面白いです！(前の作品にコメごめんなさい…)ハムレットって黒執事にも出てきますよね…！もしかして作者様黒執事好きだったりしますか…？私的にはハムレット出てきて嬉しかったです（笑） (2020年8月19日 16時) (レス) id: ead64206de (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - マツリカさん» こちらこそリクエストありがとうございました！私もクルーウェル先生大好きなので書いていて楽しかったです！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - クルーウェル先生のお話ありがとうございました！！一生の宝物にしますうううつ！！！！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - えむさん» こちらこそありがとうございました！ 勿論、リクエストは受け付けております〜！私でよければまたどうぞ！ (2020年5月21日 16時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月3日 19時
