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オクタヴィネル寮へと歩いて移動すると、モストロ・ラウンジの入口にジェイドが壁に凭れて立っているのが見えた。
態々電話をかけてきたということは、それなりに急を要する用件なのだろうと思っていたのだが、彼の様子を見る限り火急ではないことを知る。
｢ジェイドさん｣
｢ああ、Aさん。よかった、来てくれたのですね｣
｢貴方が呼び出したのでしょうに。それで、ご用件は｣
｢実はアズールとフロイドが喧嘩しまして……是非とも、Aさんのお力をお借りしたいのです｣
何故己が幼馴染間の喧嘩に巻き込まれなければならないのだろうか。
Aが僅かに眉を顰めたのを見て、ジェイドは口元に手を添えながらくすくすと笑う。
何も面白いことなどないのだが、逃げ出そうとしても結局は最終的に巻き込まれるのだと簡単に予想出来てしまった。
Aが溜息をついたのを了承だと受け取ったのか、ジェイドは彼女の腰に手を添えてエスコートをしてラウンジの中へと招き入れる。
｢アズール、少しいいですか？｣
｢何です……って、Aさん！？｣
｢はい、AAです｣
｢な、ななっ、何で此処に｣
｢僕が連れて来ました。さてAさん、アズールのことはお任せします｣
そう言ってジェイドは姿を消してしまった。
目の前のアズールが困惑しているようだが、Aの方が意味が分からなさ過ぎて困っている。
彼を頼んだと言われても、泣きそうになっているわけでも怒りで周りが見えていないわけでもないのだ。
寧ろ怒りを書類仕事と宿題にぶつけていたようで、ラウンジの机には沢山の紙が散らばっている。
取り敢えず、机の下に落ちてしまっている紙を拾おうとしゃがんだ時、Aの背中に何かがのしかかってきた。
｢う〜〜……！！｣
ご存知の通り彼である。
アズールは小さく唸りながらAの首筋に顔をうずめ、長い腕でぎゅうぎゅうと抱き締めてきたのだ。
制服の襟元が湿っていく感覚がしてきた為、アズールが涙を流しているのが分かる。
｢アズールさん、少しお離し下さいませ｣
｢いやだ……｣
｢せめて真正面からにして下さい。しゃがみ込んだままでは足が痛くなってしまいます｣
体勢を変えて欲しいとお願いすると、彼はひょいとAのことを横抱きしてソファへと優しく下ろした。
頬に涙を伝わせ、唇を強く引き結んでいるアズールはそのまま彼女の体に馬乗りすると、再び顔をうずめて強く彼女の体を抱き締める。
腕に力が込められ、Aの肺から息が押し出された。
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ゆるり(プロフ) - ミニ林檎さん» お褒めの言葉、ありがとうございます！承りました。順番に書いていますので、少々お時間頂きますね。 (2020年4月23日 23時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ミニ林檎 - 素敵な、ストーリーですね。リクエストしたいのですが閣僚の皆んなから追いかけられる話が見たいです。 (2020年4月23日 20時) (レス) id: a0bbb5bb79 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - ＊＊さん» こちらこそ、素敵なリクエストありがとうございました！楽しく書かせて頂きました〜！ (2020年4月23日 13時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - ポムフィオーレのみなさんの美を追求する姿勢は夢主ちゃんにとっても居心地がいいものなのかなあと、ほっこりしました…！想像するだけで幸せになれる素敵なひとときをありがとうございました (2020年4月23日 11時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 月兎さん» わ〜！！そんなことを言って貰えて光栄です！リクエスト承りました。順番に書いていますので、少々お時間頂きますね。 (2020年4月23日 0時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月17日 0時
