二十三 ページ23
「ご迷惑をおかけしましたっ！！！！」
地面に頭がつきそうなくらい頭を下げる佐野くんに、どうしたらいいかわからない。
「いや、そんな謝らなくたって大丈夫だよ...ね？怪我もないし？佐野くんも怪我なくて良かった。」
眉毛を下げてかなり落ち込んでいる佐野くんは、頭を下げたままだ。
「俺の心の弱さが招いた事やから.....。俺のせいなんです。」
消えそうな佐野くんの小さい呟きはすっかり暗くなった神社の境内の地面に落ちていった。
なんて声をかけてあげたらいいのかわからない。
私にはきっと佐野くんの気持ちを理解してあげられない
だけど。
「私もね、お父さんに捨てられたの。」
6人の視線が一気に集まるのがわかった
「いや、捨てられたって言い方はおかしいかな。捨てられたかもしれないの。私が中学2年生の時に突然失踪して。それっきり。
お母さんはね、お父さんは私たちを捨てたって言うの。
だけど、私は。そうは思えなくて。
あんなに優しかったお父さんが私たちを捨てるはずなんかないって。」
泣いちゃダメだ
「ずっと探してる。お父さんの影を。この街に来れば。お父さんが育ったこの街になら。
何かお父さんに繋がる何かを見つけれられるかもって。
そう思った。
だけど、お爺ちゃんの秘密を知って。今はね、
お父さんのことなんか関係なくこの街の役に立ちたいって思うよ。
だから。」
恐る恐る顔を上げた佐野くんの目を見る
「弱くたっていいじゃん。人間だろうが妖怪だろうが、関係ないよ。
心は誰にでもあって、みんな何かしらの傷を抱えてて。
それでも良いじゃん。
でもね
私たち、きっと一人じゃないよ。
おじいちゃんは、きっと誰にでも居場所はあるよって言いたかったと思うんだ。」
涙が止まらない
気づいたら、全員泣いてて
夜はまだ少し寒さが残る春の神社で
私達は寄り添いながら、泣きじゃくっていた。
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ゆい(プロフ) - めっちゃおもしろいです！続きが気になります！最後まで読んでみたいです！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: aa225a9070 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 楽しく見させて頂いてます！無理ない程度に更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月20日 4時) (レス) id: 1ca1725196 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - この作品の雰囲気大好きです。更新楽しみにしてます！ (2020年6月13日 2時) (レス) id: f8b6f2c6d6 (このIDを非表示/違反報告)
イロ(プロフ) - 更新ありがとうございます！こちらのお話大好きです、主様のペースでこれからも更新楽しみにお待ちしております^_^ (2020年4月21日 1時) (レス) id: 05f88c51dd (このIDを非表示/違反報告)
いちごぷりん - このお話すごく面白いです！！続きが気になります(*≧∀≦*)更新待ってます！！ (2020年4月14日 7時) (レス) id: 39651266d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年2月4日 23時
