二十 ページ20
「.....A、さん....？」
焦点が合ってない目で私を見つめた佐野くんに、焦りが増すばかりで思わずギュッと手を握る
その手はびっくりするくらい冷たくて
「どうしたの！？鈴の音が聞こえて、外を見たら佐野くんがいて。。」
「Aさん....ダメです....俺から....離れんと....」
様子がおかしい。
まるで、何かが佐野くんを操っているみたいに
「佐野くん...?」
とにかく、彼をどこか安全な場所に連れていかなければ
そう思って、手を伸ばした瞬間
ガッ
佐野くんに掴まれた私の手首。
「佐野くん....？」
『ほぉ。あのジジイの孫か。』
いや、佐野くんじゃない。
物凄い力で掴まれた手首が痛い。
そして何より
黒い笑みを浮かべこちらを見る佐野くんの目は真っ赤に染まっていた。
『女か...美味そうだ。』
佐野くんの顔が近づく
「佐野くん！！！しっかりして！！」
何者かに乗っ取られている佐野くんに、私の声は届くのだろうか
『あのジジイがようやくいなくなったんだ。早いうちにお前も食っておかないとなククク...』
佐野くんの体格と私の体格じゃ、勝敗は歴然だ
手首を振りほどこうと思っても、人間とは思えない力で掴まれた私の手首はビクとも動く気配がない
このままじゃ......
「A、目瞑れ。」
突然、聞こえてきたあの優しい声に、ギュッと目を瞑る
「誠也ぁあ！！！邪魔をするな！！！なぜ同族を討ち、人間を庇う！！」
「あ？それは、お前らに俺が聞きたいことやな。
なんで、オトンとオカンは鬼に殺されたんや？？」
「お、俺は知らん！！！」
「そか。なら、お前にも用は無い」
ザシュッ
「ぎゃああああああああああ！！」
「終わった。悪かったな、遅なって。」
ポンと頭を叩かれ、目を開ければそこには誠也さんがいて、私のすぐ側には、ぐったりとした佐野くんがいて。
「佐野くん！」
「もう、平気や。何も憑いとらん。それに、これだけ騒げば、あいつらも来るはずや。」
「あいつら？」
誠也さんが顎で示した方を見れば、石段を駆け上がってくるこじけん君と大晴君、リチャ君、まっさんの姿が見えた。
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ゆい(プロフ) - めっちゃおもしろいです！続きが気になります！最後まで読んでみたいです！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: aa225a9070 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 楽しく見させて頂いてます！無理ない程度に更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月20日 4時) (レス) id: 1ca1725196 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - この作品の雰囲気大好きです。更新楽しみにしてます！ (2020年6月13日 2時) (レス) id: f8b6f2c6d6 (このIDを非表示/違反報告)
イロ(プロフ) - 更新ありがとうございます！こちらのお話大好きです、主様のペースでこれからも更新楽しみにお待ちしております^_^ (2020年4月21日 1時) (レス) id: 05f88c51dd (このIDを非表示/違反報告)
いちごぷりん - このお話すごく面白いです！！続きが気になります(*≧∀≦*)更新待ってます！！ (2020年4月14日 7時) (レス) id: 39651266d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年2月4日 23時
