十二 ページ12
『お父さん、どこ？？』
『A、お父さんはね、もういないの。』
『何で？お父さん、どこ行っちゃったの！？』
『お父さんはね、私達を捨てたのよ。』
・
・
・
嫌な夢だ。
ここ数日、お父さんに関する夢をよく見る。
お父さんはいつも優しくて。
私もそんなお父さんが好きだった。
でも
中学2年生の時。
急に消えてしまった
家族で撮った写真も
お父さんの服も
私物も
まるで、お父さんなんて最初からいなかったみたいに
全部がからっぽで
何がお父さんをそうさせたのか
お母さんが言うように他の女の人か
それとも
考えたって私にわかる訳ない。
おじいちゃんなら知ってたのかな
お父さんの事
「わかる訳ないか。」
もう、２人ともいないんだもん
朝から、どんよりした気分を晴らすために、外の空気でも吸おうかと思って、窓を開ける。
社務所から木々を隔てた所にある本堂には今朝もお年寄りが何人か、お参りをしていた。
それをぼーっと見つめる。
「くっらい顔やな」
「うわっ！」
突然現れた赤い影に思わず仰け反ると、影の主はケラケラと楽しそうに笑った
「誠也さん。おはようございます。」
誠也さんは、いつもと変わらない格好で、そこに立っていて。
挨拶以上の何を言おうかと迷っていたら、デコピンが飛んできた
「いったー...」
「まぬけな顔でこっち見んな。辛気臭いのがうつるやろ。」
酷い言われようだ
でも、一人でいるよりはよっぽどマシ。
「誠也さんって、ご飯とか食べるんですか？」
「食べんでも、死にはせんけど、人間界の食べ物は美味いから好きやで。
りちゃが、持ってくるはんばーがーってやつが美味い。」
ああ、そういえばリチャード君って人にまだ挨拶できてないなぁ。
駅前のマックでどれくらいの頻度でバイトしてるんだろ。覗いてみようかな。
「ハンバーガーじゃないですけど、朝ごはん一緒に食べませんか？」
朝ご飯は鬼と一緒に。
そんな事、誰が信じるって言うんだろ。
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ゆい(プロフ) - めっちゃおもしろいです！続きが気になります！最後まで読んでみたいです！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: aa225a9070 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 楽しく見させて頂いてます！無理ない程度に更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月20日 4時) (レス) id: 1ca1725196 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - この作品の雰囲気大好きです。更新楽しみにしてます！ (2020年6月13日 2時) (レス) id: f8b6f2c6d6 (このIDを非表示/違反報告)
イロ(プロフ) - 更新ありがとうございます！こちらのお話大好きです、主様のペースでこれからも更新楽しみにお待ちしております^_^ (2020年4月21日 1時) (レス) id: 05f88c51dd (このIDを非表示/違反報告)
いちごぷりん - このお話すごく面白いです！！続きが気になります(*≧∀≦*)更新待ってます！！ (2020年4月14日 7時) (レス) id: 39651266d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年2月4日 23時
