聞こえますか、この声が。 (ページ45)

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ep.45 ページ45

リチャside

「淳弥ごめん.....」

今江の口から出た謝罪は俺らに対するものではなく

もうこの場所にいない他の仲間へ向けられたもので。

「おい、今江。どういうことや。」

丈が、今江の腕を引っ張り中に入れる。

廊下のガラスの破片はそのままやったけど。

外で遊んでいるチビ達や、他の子らには聞こえてなかったみたいや。

「おい、今江。お前なんか知ってるんか。」

丈の声がどんどん荒くなっていく

「.........あの日、俺は淳弥とおった。」

2年前の光景が頭の中でリプレイされていく感覚に思わず、顔をしかめる

予想だにしなかった襲撃

末が爆発に巻き込まれた後、俺は放心状態の丈と一緒に末澤を瓦礫の下から引っ張り出した

グチャグチャになったあいつの右足は、素人の俺から見たって、もう使い物にならないのはすぐにわかった。

古謝が待つこの教会に、意識が朦朧としている末と、ショックで会話も出来ない状態だった丈を連れてきて、後は任せると言い、俺が向かったのは

「リチャ！まとくんがおらん！！！」

怪我人担当で教会待機だった古謝

丈と末

今江と淳弥

俺は、古謝と仲間を繋げる役割

まとくんとあの日コンビを組んだのは、大橋だった。

「おらんってどういうことやねん。一緒におったんやろ？？」

「気づいたらいなくなっててん。爆発に巻き込まれたんかも。どうしよう。」

俺らの中じゃ一番年下で、だからこそまとくんと一緒に行かせた大橋は、明らかにパニくってた。

「大丈夫や。まとくんは一人やってなんとかできる。お前は俺と一緒におれ」

パンッ

近くで聞こえた渇いた破裂音

銃声だというのはすぐにわかった

「じゅんやぁああ！！！」

今江の悲鳴にも似た叫び

今も鮮明に思い出す

俺たちが着いた時には

もう

・

・

・

「淳弥を撃ったのは.......まとくんやったと思う。」

今江の口から出た衝撃の告白に、丈は教会の壁を力一杯に殴った。埃っぽい壁からは埃が舞う。

「なんっで.........なんでお前黙ってたんや。」

丈の荒い息が静まり返った部屋に響く

「淳弥がそう望んだから。」

今江はその大きな目を揺らしながら、言った