聞こえますか、この声が。 (ページ16)

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ep.16 ページ16

西畑side

あれから、時間も経って、そろそろ夜。

流石に夜ご飯までに帰らんと丈くんも心配するし。何より、下水道は、夜になるとさらに暗い。

「また、おいでや。」

「うん、誠也くんありがとうございました。」

「気をつけてな。」

「おん、正門もな。また情報よろしく。」

みっちー達3人は晶哉とかと楽しく喋っていたらしく、別れるのは少し名残惜しそうや。

「別に、会いたくなったらすぐ来れる距離やで？」

「そうっすよね。じゃあ、また来るわ。」

「うん、いっぱい話せて嬉しかった。」

ほっぺに大きい絆創膏をして、痛々しいけど、晶哉は嬉しそうに笑ってた。

連れてきて良かった。

隣のはっすんも嬉しそうに笑ってて。

「はっすん、何ニヤニヤしてんの。」

「えー、だって大ちゃんお兄ちゃんやなーって。」

「はっすんも、もっとお兄ちゃんしてや。」

「いやー、俺は弟キャラやから。」

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下水道の長い道を6人で歩く

そろそろホーム。

やっと着いたーなんて、みんな笑顔やった。

異変に気付いたのはその時やった。

「あれ、ドア開いとる。」

長尾の独り言が、下水道の中でやけに大きく響く

一番最初に血相を変えて走り出したのは、はっすんやった。

俺も続く。

ドアが開いている。いや、開いているんとちゃう。誰かが開けたんや。

丈くんが、ドアを開けっ放しにする訳が無い

つまり、それは

鼓動が速くなっていく

乱暴に壊された鍵。

倒された木のドア

「流星。3人と外で待ってて。」

「了解。」

流星がポケットからナイフを取り出す。

真っ青な顔で立ち竦む3人と流星を外に残して、俺も中に入る

「丈くん！！！！」

はっすんの悲痛な叫び声が聞こえる。

それと同時に、鉄っぽい匂いが鼻を突く

「嫌や、嫌や丈くん...」

震える声で座り込むはっすんの前で倒れている丈くんの服は

赤黒い血で染まっていた