茶の風 ２ ページ3
彼の首輪には呪いがかけられていた。
自由を奪うための呪いが。
「彼はエーミール。種族はシルフで魔法学校の生き標本として買われた。
首輪には能力を封じる魔術と声を出せなくさせる魔術と感情を封じる魔術が掛かっていた。
魔術を解除できるのは掛けた術士かそれよりも上位の術士だけ。必要な時に少しだけ解除して生徒達に見せていたらしい。
お父さんが一緒に行ったチームの中には魔術の心得がある人もいたけど全ての魔術の解除はできなかった。
それでも意思疎通できるレベルにまでなったのはすごいことなんだよ。初めて会った時は魂が入ってないのかと思ったんだから。
でもこれ以上は難しいかな。本当に申し訳ないよ。」
そう言ってお父さんは悔しそうに下を向く。
魔術か…その辺は私にはどうにも…
…？いや、1つ心当たりはある。
「オスマンならなんとかできるかも。」
彼は魔術師とアルラウネのハーフだと言っていた。
どの程度の力を持っているかはわからないが、聞いてみない手はない。
「オスマンってAが最近連れてきたっていう？」
「連れてきたっていうか連れてこさせられたみたいな感じだけどね。
待ってて。今呼んでくる。」
パタパタと駆け足でオスマンの部屋に向かう。
「オスマン居る？」
「ん？どした？夜這い？」
「違うに決まってるでしょ！
ちょっと着いてきて。」
「もーしょうがないなぁの〇太くんは。」
「助けてオスえもーん」
「オスえもんて名前エ□いな。」
「うわ不純。」
などと半分ふざけながら食堂へとオスマンを連れていく。
「あれ、エミさんやん。いつの間に来たん？」
食堂に入るやいなや驚くオスマン。
そしてエーミールはその問いに首を傾げるだけだった。
「何コレ。どういうことなん？」
ほんの少しオスマンの声が低くなる。
「あの首輪、魔術が掛けられてて外れないんだって。オスマンならどうにかできるかと思って。」
「魔術ぅ？エミさんどんな所おってん」
怪訝そうに聞くも、エーミールさんの首輪に近づき観察をし始める。
「あー…なるほど。随分とけったいなもん掛けられとるなぁ」
とは言いつつもオスマンは余裕そうな表情を浮かべている。
オスマンがエーミールさんの首輪を数度撫でると
パキン
という音を立てて首輪が割れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 376人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - アルテアさん» コメントありがとうございます。喜んで頂けたようで何よりです。アルテアさんの満足いく姿になっていれば良いのですが。 (2019年6月22日 21時) (
レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
アルテア(プロフ) - ついにひとらんらんさんが！やったー！ありがとうございます！ (2019年6月16日 14時) (レス) id: c628398586 (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - 倉の中の石さん» コメントありがとうございます。はい！頑張りますね！ (2019年6月1日 20時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです！更新頑張ってください！！ (2019年5月28日 4時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ウラシル@ひぃ | 作成日時：2019年5月26日 21時
