居酒屋妄想日記 ４冊目

怖い話 ページ28

〆．



橙「…………なんや、えらいしげにべったりやな？A」



「そ、そんなことないですよ」



黄「そう？めっちゃくっついてるやんか」



赤「…………………」



緑「しげも照れてなんも話さんくなってるし」



橙「その方が俺はええと思うけど……」



桃「Aとくっついてんのは許せん！！」



青「望、落ち着け。……残念ながら、Aは自分の意思でくっついとるから」



今日大毅くんに変な人から助けて貰って、まあ………心は少し傾いたと言いますか。



「なんか、今日は落ち着くんです」



赤「今日は？」



紫「いつもは落ち着くわけないよな」



ケラケラ笑う大人組。



私と大毅くんは手を繋ぎ、体をぴったりくっつけている。



でも、こんな時に一番頼れるのは大毅くんだから。



緑「ほんなら次の人ー」



青「んー、俺？じゃあ、ネットで見た話な。ある女の人の話。その人は就職して一年目のOLで〜」



桃「OL！？」



橙「そこ反応せんでええねん」



青「一人暮らし始めたばっかやから寂しいやん？んで、犬を飼うことにしたんよ。その犬は賢くて、懐いてたから、くたくたに疲れてベッドに倒れるOLの手を、ぺろぺろ舐めて癒してあげててんて」



桃「ぺろぺろ…！？」



橙「誰かこいつ連れ出して！！」



りゅうくんののんびりした声といちいち反応するのんちゃんに、まあ今回は大丈夫かな？と思って、大毅くんの手を握る力を弱めるけれど……。



青「ある日。OLは飲み会で遅くなって、酔いつぶれて電気もつけずにベッドに寝転んだんよ。そしたら、いつものようにな？ぺろぺろ〜って舐めてくれて、安心して眠りについたんやって」



真っ暗な部屋、真ん中にランプだけ置いて、それを八人で取り囲んでる。



青「そしたら次の朝……OLは見てしまったんよ。風呂場で、バラバラになった犬の死体を。昨日の夜にOLの手を舐めてたんは、犬を殺した犯人やったらしい……」



ふっ、と消えたランプ。



桃「おいいい！！！！なに雰囲気に乗じて消してんねん！？あほ！ぼけ！天然がぁああ！！」



私はやっぱり怖くなって、大毅くんの手をぎゅっと握った。



大毅くんは怖い話が平気らしいから、他の六人に頼るよりも安心。



ちなみにこの怖い話の会で、



こういう時、淳太さんとのんちゃんには頼れないんだな、と察した。



〆．

怖い話引用元URL
http://horror.3.tool.ms/239/

〆．

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