episode 28：最終戦 ページ31
街を駆け抜け辿り着いた例の場所にはもう既に向こうの私が待っていた｡
｢こっちの行動はお見通しってか｣
"そうらしい｡早いが最終決戦だ!こっちも全力でサポートする!"
｢死ぬ準備はできた?じゃあ始めようか!｣
蛇が5匹襲いかかる｡向こうは各個撃破のつもりらしい｡
1番先に蛇を倒した槍兵が向こうの私に仕掛けた｡
｢貰ったぁ!｣
確かに朱槍は彼女を貫いた｡しかし彼女の体は水のように溶け､再び戻った時には余裕の笑みを浮かべた彼女が立っていた｡
｢残念でしたぁ｣
すかさず槍兵に蛇をけしかける｡避けたが掠ったらしく彼の服が少し裂けていた｡
｢マシュ､防御上げて!槍ニキは矢避けの加護!｣
｢はい!シールドエフェクト､発揮します!｣
｢おう!しっかし､あれも回避の類か｣
｢オロチさんのステータスに回避スキルがあったので恐らく｡回避の限界は3回､残りは私が削ります!｣
｢やぁっ!｣
マシュの盾がオルタの体を2回裂く｡回避のなくなった彼女の顔にはまだ笑みが残っていた｡
圧でオルタの魔力が上がってくるのがわかる｡次に宝具が来る……!
｢宝具……!残りの回避持ちは皆使って!マシュは無敵をアルトリアに!俺がマシュに回避をつける｣
全員が宝具に備えた中､オルタは詠唱を始めた｡
｢空想の路は影の路 理想を目指して這う影の 行き着く先は夢の世界 『
巨大な影の蛇が1匹襲いかかる｡が､向かった先には――――
｢!先輩っ!!｣
｢始めからマスターを狙えばよかった｡その方が断然早い｣
大蛇がマスターを飲み込もうとした時､光の斬撃がそれを切り裂いた｡
｢怪我はありませんか､マスター｣
｢大丈夫……!アルトリア､後ろ!｣
さっきの斬撃で砕けた建物の瓦礫が蛇の体当たりで私達に向かってくる｡
大物が私目がけて飛んでくる｡避けなければいけない｡が､私は避けられなかった｡
私の後ろにはお祖母様の屋敷があったのだ｡
たとえ幻だとしてもお祖母様の場所を壊させたくない｡
蛇を最大の8匹出して塊を抑える｡けれども力足りず押し通されて､私は塊諸共屋敷に突っ込んでしまった｡
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作者名：巳月 要 | 作成日時：2017年12月25日 22時
