【FGO】人に成る (ページ12)

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episode 10：違和感ページ12

ここ最近は続けてレイシフトすることが多かった。曰く､次の特異点に備えてさらに練度を上げるのが目的らしい。

私は全ての戦闘に出されている。ありがたいことだ。使われない武器などただのガラクタなのだから。

ある日の帰還後､私はある違和感を感じた。体が重く､動きも少し鈍くなっていた。

｢よぉ蛇の嬢ちゃん。今日は調子悪そうじゃねーか。疲れが出たか?｣

後ろから出てきてのはキャスターのクー・フーリン。今日のレイシフトは彼とずっと一緒だった。

｢いえ､問題ありません､ドルイド殿。戦闘に支障はきたさないので｣

実際問題はなかった。それより私は､ガラクタになることを恐れていたのかもしれない。

それから数日､日に日に違和感が大きくなっていくのと同時に､それが魔力の回復量の減少が原因だと分かった。

ここには何十騎ものサーヴァントがいる。供給がままならないのも無理はない。それに､供給が少ないなら少ないなりの戦い方をすればいい。

その日最後のレイシフトから帰ってきた頃､私の体は大分悪化していた。

足元がおぼつかない。なんとか壁に沿って部屋に向かうが､意識が混濁していて自分が何処を歩いているか分からない。

息がだんだん荒くなる。景色が明滅してよく見えない。

とうとう足がもつれて倒れてしまった。吐き気も重なって立つ気力もない。

やがて私は倒れたまま意識を手放した。