#4 ページ13
ru「大丈夫だよ、可愛いって言われてもめめ怒ってないから」
mg「静かにして」
ru「めめも照くんの事気に入ってるから。負けたのが悔しすぎてめちゃくちゃ拗ねてるだけだから。素直じゃないんだあ、めめは」
mg「……マジで黙って」
ru「えへへ、やだ」
顔を隠したまま抗議する目黒の耳は赤い。ラウールはそんな兄をにやにや見つめたと思うと、岩本に向き直った。
ru「さっき聞いたんだ。僕が逃げてから、めめと照くんが二人で何話したのか」
iw「……ああ、」
ラウールに言われ、岩本はその会話を思い出した。
iw《なあ、あの子が何処に行ったのか教えてくれないか》
mg《……誰が教えるかよ》
岩本が「異端」だと告白した後の会話である。
目黒がそう答えた時、岩本は突きつけた鉄パイプをぐっと目黒の喉に押し付けた。
目黒は顔を歪めてもなお、岩本にガンを飛ばしていた。
iw《俺はここでお前の喉を潰す事も出来る》
mg《……》
iw《でも出来ればそんな事はしたくない。お前のためにも、あの子のためにも》
mg《……》
iw《お前があの子を大切に思うなら、俺はお前をあの子の元に無事に返してやりたいと思ってる》
mg《……っ、》
目黒の瞳が揺れたのがわかって、岩本は言葉を続けた。
iw《だからあの子の居場所だけ教えてくれないか。荷物だけ返してくれればそれ以上お前達には手を出さない、約束する》
mg《……》
iw《襲われた事は誰にも言わない。お前達が「異端」だって事も言いふらしたりしない。そんな事したらどうなるか、俺だってよくわかってるからな》
mg《……》
iw《なあ……頼むよ》
目黒は酷く迷っていた。喧嘩を売った相手にこんなに優しい言葉を投げかけられた事は、今まで一度もなかった。
どうせ嘘だ。上っ面だけが優しい奴等なんて今まで腐るほど見てきた。こいつだってどうせ、適当な言葉を並べているだけで後から痛い目に遭わせるつもりなんだ。
信じちゃいけない。弟に手を出したこいつを早く殺せ。
そう頭では考えても目黒の体は動かなかった。
静かに迷い続ける目黒をじっと見つめていた岩本は、考えた末に鉄パイプを投げ出した。
mg《……え、》
iw《お願いだ、荷物を返してくれないか》
そう言って岩本はついに頭を下げたのである。岩本が思い切った行動をとった事で、ついに目黒の胸の奥に眠っていた良心が顔を出した。
目黒が生まれて初めて初対面の相手に、弟に手を出した相手に気を許した瞬間だった。
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» わーありがとうございます! 直しました! これからももし見つけたら遠慮せずに教えてください……! ありがとうございました! (2020年11月8日 11時) (
レス) id: f87dad8c17 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 岩本"が"「狩猟豹」なのは＿。 が 岩本"か"「狩猟豹」なのは＿。になってますよ！細かいところですみません。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» いつもコメントありがとうございます! 更新頻度がだいぶ遅くなるとは思いますが、何卒お付き合いよろしくお願いします! (2020年10月24日 11時) (レス) id: 4e2a0ba139 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 新しい作品楽しみにしてました！更新応援してます！ (2020年10月23日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年10月22日 23時
